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<青森県予算案>基金取崩額27年ぶりゼロ

2017年度主要事業(単位・億円)

 青森県は20日、総額6846億円の2017年度一般会計当初予算案を発表した。16年度当初予算と比べて1.8%(124億円)の減。財源不足を補う基金取崩額は1990年度以来27年ぶりにゼロを実現した。22日開会の県議会2月定例会に提出する。
 県の基本計画「未来を変える挑戦」(2014〜18年度)の戦略プロジェクト「人口減少」「健康長寿」「食」の3本柱を軸とした推進事業に303億円を充てた。このうち最大の課題と位置付ける人口減対策472事業に248億円を計上した。
 17年度は若者と女性の県内定着に重点を置く。県外就職が約6割を占める工業高生の県内就職促進事業に1400万円、妊娠から子育て期までの支援体制を構築する親子支援充実事業に1700万円を充てた。がん対策の10事業に5億300万円を組み込み、「短命県」返上を目指す施策も続ける。
 北海道新幹線の開業で需要が高まった青函周遊観光の定着化を進める事業には5200万円を計上し、交流人口の拡大を目指す。
 農林水産分野は15.6%減の484億円。漁協の経営安定化を図る貸付金事業が終了した影響で大幅減となった。
 歳入は、県税が0.9%増の1399億円を見込む。このうち核燃料物質等取扱税(核燃料税)は1.2%増の199億円。地方交付税は1.3%増の2142億円。県債発行額は3.6%減の729億円となった。県債残高は17年度末で1兆1625億円の見通し。

◎核燃マネー頼み変わらず

 【解説】1期目から公共事業の見直し、人件費削減といった行財政改革に積極的に取り組んできた三村申吾知事は、4期目の半ばに27年ぶりとなる「財源不足ゼロ」を実現した。持続可能な財政運営に向けて強い姿勢を打ち出したと言える。
 収支均衡を保った一方、県債残高は歳入の約1.7倍に上り、県債依存度(10.7%)も地方財政計画を上回った。基金残高は歳入の20分の1に満たない317億円にとどまる。
 核燃料税や電源三法交付金などへの依存体質にも変化が見られない。国策に協力しているとはいえ、「核燃マネー」頼みの財政運営は健全でなく、短期的な地域振興にすぎない。
 主な事業は2016年度に続き、人口減対策に積極配分している。県外流出が目立つ若者と女性の雇用や支援策を増やし、県内への定住を促す仕組みづくりに重きを置いた。18年度で終える県基本計画の集大成を見据え、ターゲットを絞って挑む意思が見える。
 三村知事は「未来をつむぐチャレンジ予算」と表現した。未来のためにもポーズで終わらず、財政規律を守りながら具体性ある施策を積み重ねてほしい。(青森総局・辻本まり)


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2017年02月21日火曜日


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