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<酒田米菓>大手の隙間狙い 攻め

佐藤栄司(さとう・えいし)酒田北高卒。酒田米菓勤務などを経て03年に団子屋「さと吉」を酒田市で開業。08年にACコーポーレーションを設立し法人化。14年11月から酒田米菓社長。53歳。同市出身。

 「オランダせんべい」で知られる酒田米菓(山形県酒田市)は1日、仙台市青葉区のエスパル仙台に出店した。本社工場店以外では初めての直営販売店。東北を代表する菓子メーカーとして、100万都市を起点にブランド力の再構築を図る。本社の観光工場化など「攻め」の経営戦略を打ち出す佐藤栄司社長に展望を聞いた。(聞き手は酒田支局・亀山貴裕)

◎Eパーソン 佐藤栄司社長

 −仙台出店の狙いは。
 「創業者の伯父(故人)ら先人たちが印象に残るCMとともにオランダせんべいを浸透させてくれたおかげで、東北地方での知名度は今でも高い。近年は他社商品の下請け生産も多く、新しい自社商品を出してこなかったが、体力のあるうちに東北で最も人が集積する仙台市のど真ん中で勝負しようと判断した」
 「安売り競争に陥りがちなスーパーとは品ぞろえで一線を引き、東北の原材料を使った東北の土産品として新たな価値を売っていこうと考えている」

 −本社工場を2015年8月に見学者用通路やカフェを備えた観光工場にした。
 「創業者の夢だった観光工場は、40年近く前に見せてもらった1枚の絵を念頭に整備した。オープンから1年で来場者は10万人に達した。従業員にとっても自慢の商品を作る感動をお客さまと共有できることはやりがいにつながっている」

 −海外展開も検討している。
 「せんべいは洋菓子と比べて油の利用が少なく、小麦アレルギーの人も口にできる商品として有望。3月には本社工場で食品安全管理の国際規格FSSC22000を取得する計画だ。今年はドイツである展示会への参加も模索している」

 −団子屋も営んでいる。
 「もともとの家業が米屋で、03年に保存料を一切使わない団子屋を始めた。あんは紫芋や抹茶、モンブランなど20種類以上から選べるのが特徴。私が酒田米菓社長に就任したため3月には、本社工場内に移転オープンさせる予定だ」

 −今後の展望は。
 「国内が人口減少の局面に入り、大手と同じ土俵で戦っても展望は開けない。酒田米菓という独自のサブカルチャーを構築し、大手の隙間を狙っていく。直営店を徐々に増やすと同時に、米菓のジャンルを越えた、食卓に欠かせない商品も提案していきたい」


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2017年02月21日火曜日


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