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<宮城県予算案>4選見据え 福祉へ配分

テレノイドを抱きかかえ、楽しそうに話し掛ける高齢者=2017年2月11日、宮城県名取市内

 村井嘉浩宮城県知事が東日本大震災からの「復興新ステージ予算」と名付けた2017年度一般会計当初予算案が17日、県議会2月定例会に提出された。沿岸被災地の復旧復興が進み、震災関連事業は大幅に縮小。福祉や子育て分野への配分を手厚くした。県震災復興計画(11〜20年度)で、再生期(14〜17年度)の総仕上げとなる予算を分析した。

◎復興新ステージへ(上)新村井色の布石

<介護ロボへ補助>
 「かわいいね。こっちにおいで。一緒に歌おう」。認知症の女性が人型ロボットを抱きかかえ、優しく語り掛けた。童謡「ふるさと」を楽しそうに歌う表情に笑顔が広がる。
 名取市の特別養護老人ホーム「うらやす」は11日、遠隔操作型アンドロイド「テレノイド」を全国で初めて導入した。オペレーターが遠隔操作して入所者と対話する仕組みで、認知症の予防に効果がある。
 佐々木恵子施設長は「普段は寡黙なお年寄りが、一生懸命に話し掛けている。介護の可能性が広がる」と期待を寄せる。
 県によると、2015年の認知症の高齢者は約9万4000人、25年には13万〜14万人まで膨れ上がる。介護現場の負担を軽減するため、県は当初予算案に「テレノイド」などの介護ロボット導入補助費9800万円を新たに計上した。
 17日に開会した県議会2月定例会。村井知事は当初予算案の提案理由説明で「介護や子育てなど、新たに踏み込むべき暮らしの充実施策に重点的に予算配分した」と強調した。
 福祉と並ぶ目玉の子育て関連にも、地元金融機関と連携した子育て世帯への低利融資制度(5000万円)や企業内保育所の整備支援(5億円)などの新規事業を盛り込んでいる。

<富県の成果活用>
 村井知事が掲げる「富県戦略」の基軸は、税収増を図る企業誘致や産業振興だった。東日本大震災による復旧復興事業の追い風もあり、15、16年度の2年連続で県税収入が3000億円を突破。集めた「富」を、弱点とされた福祉や子育て分野に重点配分した形だ。
 経済偏重からのシフトチェンジを鮮明にした予算編成に対し、「秋の知事選を見据えた戦略」(中堅県議)との見方は強い。村井知事は昨年11月、河北新報社の取材に対して4選を目指す考えを明言した。県関係者は「福祉や子育てを軽視しているとの批判の声を封じる意味合いがある」と推測する。
 5期20年(1969〜89年)務めた故山本壮一郎氏以来となる4期目に向け、野心がにじむ新たな「村井カラー」。村井知事は「今までできなかった施策にチャレンジする」と意気込む。


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2017年02月18日土曜日


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