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<宮城県予算案>防災に重点 誘客にも力

防潮堤の復旧工事が進む被災地。復旧復興はハードからソフト分野に軸足が移りつつある=宮城県気仙沼市

 村井嘉浩宮城県知事が東日本大震災からの「復興新ステージ予算」と名付けた2017年度一般会計当初予算案が17日、県議会2月定例会に提出された。沿岸被災地の復旧復興が進み、震災関連事業は大幅に縮小。福祉や子育て分野への配分を手厚くした。県震災復興計画(11〜20年度)で、再生期(14〜17年度)の総仕上げとなる予算を分析した。

◎復興新ステージへ(下)発展期への助走

<高校生 担い手に>
 東日本大震災の発生から間もなく6年。復旧復興の工事が進む被災地では、自主防災組織の再建が大きな課題になりつつある。
 県がまとめた市町村別の組織率をみると、内陸の93.3%に対し、沿岸は78.6%。女川町は3.3%、気仙沼市は37.1%にとどまり、遅れが深刻だ。
 県は2017年度一般会計当初予算案に、自主防災組織の発足を支援する新規事業として1600万円を計上した。高校生を担い手として育成するため、防災ジュニアリーダー養成費に300万円を充てた。
 岩沼市の平井光昭防災課長は「町内会が高齢化し、自主防災組織の形成が進まない地区もある。連携を進め、他地域の防災事例も吸収したい」と注目する。
 当初予算案の震災対応分は3800億円で、16年度当初比で1000億円減少した。災害公営住宅は8割強が完成し、防潮堤復旧工事も約8割が着工済み。県震災復興計画(11〜20年度)の発展期(18〜20年度)を見据え、ソフト対策に予算を手厚く配分した。
 県の大塚大輔総務部長は「復旧事業が一段落し、震災の記憶が薄れる前に防災対策に着手したい。弱体化したコミュニティー再生にもつながる」と説明する。

<増収へ積極投資>
 震災後の県税収入を支えた復旧復興事業の縮小に合わせ、県は新たな増収策への積極投資も図った。村井嘉浩知事は10日の予算発表で「交流人口の拡大が特効薬だ」と強調。訪日外国人旅行者(インバウンド)の誘致促進などに、意欲的な事業を数多く盛り込んだ。
 国の東北観光復興対策交付金を活用し、動画投稿サイト「ユーチューブ」での情報発信や、県内をロケ地にしたオリジナルドラマ制作に3億7500万円を充当。「日本版DMO」(観光地域づくり推進法人)の設立に向けた調査費に1億2700万円を付けた。
 県は20年の外国人宿泊者数について、現在の3倍に当たる50万人を目標に掲げる。庁内に新年度「アジアプロモーション課」を新設するなど、達成に攻めの姿勢を打ち出した。
 東北観光推進機構の紺野純一専務理事は「予算規模に県の本気度を感じる。宮城にとどまらず、東北の広域周遊を促す事業を展開してほしい」と期待する。


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2017年02月19日日曜日


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