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<教育旅行>仙台圏に照準 山形県が誘致に力

山居倉庫の案内を受けるモニターツアー参加者ら=1月31日、酒田市

 山形県が修学旅行など教育旅行の誘致に力を入れている。売り込み先として特に重視するのが、東北で唯一、人口が増えている仙台圏。出羽三山神社(鶴岡市)の山伏修行体験など宮城県とは異なる文化歴史や豊かな自然体験学習をセールスポイントにする。ただ、宮城に隣接する各県とも教育旅行誘致に熱心で、受け入れ態勢拡充やプラン提案力の強化が課題になっている。
 庄内観光コンベンション協会(事務局・山形県庄内総合支庁)は1月30、31日、仙台圏に拠点を持つ旅行会社向けのモニターツアーを初めて実施した。
 4社から7人が参加。論語の素読ができる鶴岡市の庄内藩校「致道館(ちどうかん)」や歌舞伎くまどり体験ができる山五十川公民館を見て回り、海中から地下水が湧き出る遊佐町の釜磯も視察した。
 参加者からは「釜磯の湧き水は体験学習のニーズに対応できる」「出羽三山は有望だ」との感想が出た。中には「仙山交流が活発化しており、ぜひ山形を売り込みたい」と語る大手旅行代理店の担当者もいた。
 山形県は、東日本大震災の影響で教育旅行の受け入れ数が落ち込んだ。蔵王山(蔵王連峰)で2015年に発令された火口周辺警報が追い打ちをかけ、15年度の延べ宿泊者数は09年度と比べて3万4000人少ない13万人にとどまった。
 挽回を図ろうと県は昨年3月、吉村美栄子知事をトップとする官民組織「県教育旅行誘致協議会」を設立。旅行会社向けの助成金を設け、国内外への売り込み強化を図っている。
 とりわけ、100万都市・仙台を抱える宮城県からは小中学校の野外活動や修学旅行の需要を期待できるとして、誘致協議会は昨年6月、仙台圏の小中学校約160校を個別に回り、山形をPRした。
 一方で、山形県は都市部の学校でニーズの高い農家民泊が少ないなど宿泊面に課題があり、岩手県や秋田県など宮城のほかの隣県に後れを取っている。東京電力福島第1原発事故で大打撃を受けた福島県も、独自の助成制度を設けるなど旅行者数の回復に懸命で、競争は激化している。
 山形県教育旅行誘致協議会の担当者は「受け入れ態勢の課題は自治体をまたいだ分泊や出羽三山神社の宿坊の活用で乗り越えられるはず。教育旅行で宮城の子どもに山形の良さを伝えていきたい」と語る。


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2017年02月22日水曜日


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