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<タリウム事件>精神鑑定 2医師分かれる

 名古屋市で知人の高齢女性を殺害し、仙台市で同級生2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた元名古屋大女子学生(21)=仙台市出身、事件当時未成年=の裁判員裁判第16回公判が22日、名古屋地裁で開かれ、精神鑑定をした医師2人が出廷した。犯行に与えた精神障害の程度について、検察側の医師は「重症ではない」、弁護側の医師は「重症」と真っ向から対立する見解を示した。
 2人は検察側が依頼した男性医師と、名古屋家裁・地裁が鑑定を依頼し、その結果を踏まえて弁護側が証人尋問を請求した男性医師。起訴前後に1回ずつそれぞれ2回の精神鑑定を実施した。
 2人はともに元名大生が発達障害と双極性障害(そううつ病)を抱えていると指摘。他人に共感できず、「死」や「人体の変化」に対する偏った興味が各犯行に結び付いた−との認識で一致したが、障害が与えた影響の度合いについて意見が分かれた。
 検察側の医師は「発達障害は重篤ではなく、そう状態は軽度。犯行に与えた影響は限定的で、自由な意思に基づく行動だった」と指摘。「犯行は計画的で、犯罪行為の影響や結果を認識していた」と強調し、逮捕後も殺人欲求を示すなど「他人に害を与える恐れは存在している」と述べた。
 弁護側の医師は「障害は重度で、善悪の判断基準がない」と指摘。気分の波を表したグラフを示し「犯行時は重度のそう状態で抑止力が効かず、突き抜けるように行動していた」と説明した。投薬などで治療効果があったとして「早急に専門治療を開始すべきだ」と結論付けた。
 2人はともに「発達障害は先天性のものであり、家庭での育て方の問題ではない」との認識を示した。元名大生の責任能力は最大の争点。検察側は「完全にあった」と主張し、弁護側は「なかった」と反論している。


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2017年02月23日木曜日


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