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<秋田知事選>出産・就労の支援が鍵

中心部に位置する鹿角市の花輪大町商店街。日中、通りを行き交う人の姿はまばらだ

 任期満了に伴う秋田県知事選(3月23日告示、4月9日投開票)は、告示まで1カ月となった。最大の県政課題が、加速する人口減少だ。県人口は毎年1万以上減り、年内の100万割れが確実視されている。高齢化率も全国トップの33.8%(2015年)と上昇を続けている。人口減と少子化の影響が顕在化する県の現状と課題を探った。(秋田県知事選取材班)

◎迫る100万人割れ(上)移住促進

<産婦人科集約へ>
 秋田県北部、人口約3万の鹿角市に、驚きと困惑が広がった。市内のかづの厚生病院が今月、地域外に住む妊婦の里帰り出産の受け入れを中止したからだ。
 同病院に産婦人科医は常勤2人、非常勤1人がいるが、いずれも派遣元の大学頼み。病院によると昨年12月、常勤医2人を派遣する秋田大(秋田市)、岩手医科大(盛岡市)と、大館市立総合病院に医師を派遣する弘前大(弘前市)の教授の連名で「里帰り出産の希望者を大館市立病院に紹介する」と通知があった。人口減に伴う分娩(ぶんべん)数の減少と産婦人科医の不足などで集約化を図る、という理由だった。
 かづの厚生病院の2015年度の分娩件数は210件で、このうち里帰り出産は64件。本年度は12月までで163件、うち里帰り出産は52件。市政策企画課の担当者は突然の中止の通知に「里帰り出産を機に、より良い子育て環境を求めて鹿角にUターンすることができなくなる恐れがある」と語り、移住政策への影響を懸念する。市は大学側に再開を求めている。
 少子化の影響は、市中心部にある長さ240メートルの花輪大町商店街でも見られる。「20年前に3店あった学生服販売店は、今やゼロ」。同商店街振興組合の田中喜美子事務局長(55)はため息をつく。「通行人の数も30年前の5分の1以下になった」と続けた。
 県人口の推移はグラフの通り。1956年の135万をピークに、右肩下がりが続く。人口減少率は2004年の0.7%、13年の1.22%、16年の1.32%と加速する一方だ。
 県内の高校生は卒業後、半数に当たる約4000人が進学や就職で首都圏などに流出すると推定される。県は自然減の抑制とともに社会減の早期解消を掲げ、移住促進に取り組む

<相談員4人配置>
 NPO法人秋田移住定住総合支援センター(秋田市)に登録した移住者は、16年度(1月末現在)で239人と、19年度の達成目標の220人を超えた。10年度からの累積は204世帯、446人に達した。しかも「8割が40代以下」(県人口問題対策課)の子育て世代だ。
 鹿角市は15年度、移住希望者の相談などに応じる「移住コンシェルジュ」=?=を県内の市町村に先駆けて4人配置し、移住定住対策に力を入れる。その効果もあって、16年度は2月20日現在で20世帯、38人が移住した。30代以下は30人と約8割を占める。
 コンシェルジュの木村芳兼さん(38)=神奈川県出身=は、移住の鍵となるのはやはり仕事だと指摘する。地域では選択肢が限られるからだ。ただ、人を雇いたい事業所や後継者不足に悩む商店も地域にはある。木村さんは「移住希望者と事業所や商店主をいかに結び付けるか、きめ細かな対応が重要になる」と語る。

[移住コンシェルジュ]鹿角市は国の「地域おこし協力隊」制度を活用し、仙台市や神奈川県、大阪府出身の4人を採用。移住体験ツアーの企画や移住に関連する情報発信などを手掛けている。


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2017年02月23日木曜日


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