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<山村留学で育つ>絆や知識 互いに刺激

夕食で会話を弾ませる優太君(左)と茜さんたち=2月初旬

 中山間地のへき地校、丸森町耕野小(児童14人)が山村留学の受け入れで変わろうとしている。現在、留学生は3人。都会から来た子は自然に親しみ、地元の子も刺激を受け、互いに成長する。過疎化と東京電力福島第1原発事故の影響で児童数が減る中、「学校の活性化を」と始めた取り組みを地域も支援する。(角田支局・会田正宣)

◎宮城・丸森 耕野小の歩み(1)学び合う

 耕野の養蜂業石塚武夫さん(45)方の夕食。長女茜さん(12)=耕野小6年=と並んで、和沢優太君(11)=5年=がハンバーグを頬張る。
 優太君は、2016年5月に東京都新宿区から転入してきた。友だちと虫を捕り、総合学習ではタケノコ掘りも体験。石塚家では蜜ろうでハンドクリームも作った。「自然がいっぱいで楽しい」と目を輝かせる。
 一人っ子で、身支度に時間がかかった。今は、相部屋の次男悠吉さん(14)=丸森中2年=と午前6時半に起床し、40分後には家を出る。家ではまき風呂をたく係も買って出る。

 東京にいた時には、人に声を掛けられたら逃げるよう教わった。だが、耕野でなら地域の誰とでも気軽に話せる。優太君は「親と離れて自立できた。友達との絆や他人への気遣いを学んだ。来て良かった」と目を輝かせる。
 一方で、本好きの優太君に耕野の子が触発されている。家で週末に1時間読書するようになった高橋英隆君(11)=5年=は「優太君が面白いと言うから、徳川家康の伝記を読んだ。いろいろな知識を教えてくれる」と喜ぶ。
 耕野小は15年度に山村留学を始めた。石塚家はずっと里親を引き受け、優太君で4人目だ。

 茜さんに忘れられない思い出がある。15年の2学期に1カ月半、米国から来ていた井村花ソフィアさん(当時6年)は、父が米国人で母が日本人。親しみを込め「茜」と声を掛ける花さんと「呼び捨てにしないで」とけんかになった。文化の違いについて話し合った。
 母裕美さん(50)は「留学生が来て、良い意味での競争心が芽生えた。社会に出ればいろんな人と生活する。貴重な勉強をさせてもらっている」と歓迎する。
 この1月末、今は中国にいる花さんからカードが届いた。深海魚に興味がある茜さんへ、「深海ハカセになる夢がんばってね」とメッセージがあった。
 茜さんは卒業文集に載せる作文に書いた。「花さんから『相手の気持ちをすなおに受け入れることが大事だ』と教わりました」


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2017年02月21日火曜日


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