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<山村留学で育つ>主体的学び 成長促す

複式授業で、教師が離れている間に自分で学習に取り組む松永さん(手前右)ら=丸森町耕野小

 中山間地のへき地校、丸森町耕野小(児童14人)が山村留学の受け入れで変わろうとしている。現在、留学生は3人。都会から来た子は自然に親しみ、地元の子も刺激を受け、互いに成長する。過疎化と東京電力福島第1原発事故の影響で児童数が減る中、「学校の活性化を」と始めた取り組みを地域も支援する。

◎宮城・丸森 耕野小の歩み(2)複式効果

 「250円のペンを30%引きで買うと代金は?」
 丸森町耕野小(児童14人)の教室で、5年生5人が算数の問題を解く。「値引き額を出してから引く」「最初から70%を掛ける」。それぞれ計算方法を述べ、意見を交わした。
 傍らでは、6年生5人が面積の単位について二瓶美紀子教諭(43)の授業を受けている。
 現在3人の留学生が学ぶ耕野小。本年度は3、4年生が在籍せず、5、6年生と1、2年生の複式学級で授業が行われている。
 千葉県船橋市から3学期に来た5年下村萌恵(もえ)さん(11)は「以前の学校より、自分で発表することが増えた。ちょっと大変」と複式の授業に奮闘中だ。
 埼玉県熊谷市から移り、昨年4月から学ぶ6年松永凜佳(りんか)さん(12)は「先生に言われなくても自分で勉強しないといけない。人の意見をしっかり聞かないと自分の考えを言えないから、集中する」と慣れてきた様子だ。
 少人数の複式学級は、直接指導の時間は少なくなるが、児童が主体的に学ぶ姿勢が育まれる。少人数のため児童をきめ細かに指導できる長所もある。

 過疎化と東京電力福島第1原発事故の影響で、2014年度の児童数が9人と1桁になった耕野小。減少に歯止めをかけようと留学生を受け入れ、初年度の15年度は3人が入学。16年度は在籍の3人のほかに2学期で戻った2人がいて、これまでの受け入れ実績は計8人。学校は複式の良さを最大限に生かそうと努める。
 馬場純子校長(56)は「一人学びや仲間での話し合いが多い複式は、児童が大人になる。山村留学の子と地元の子が違いを受け入れることを学び、児童同士で育っている」と見守る。

 耕野小は昨年6月、県総合教育センターの複式学級研修会の会場となり、授業が公開された。見学した石巻市寄磯小(児童11人)の及川彩教諭(26)は「自主学習の進め方に感動した」と目を見張った。
 16年度から1、2年の複式学級を受け持つ及川教諭は研修後、自主学習の手順をまとめた。国語で「分からない言葉に線を引く」「辞書で調べる」といった7項目を設けるなど工夫する。
 牡鹿半島の寄磯地区は東日本大震災の津波で大きな被害を受けた。被災地の教育現場を担う及川教諭はこう思いを強くする。
 「郷土を愛し、自分を発揮できる子を育てたい。複式の在り方として耕野小を指針にしている」


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2017年02月22日水曜日


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