宮城のニュース

<梨田監督E心伝心>WBC 公認球対応が鍵

WBCへ向けた強化合宿で投球練習する松井裕=宮崎

 3月のWBCに向けた日本代表合宿に則本、松井裕と嶋が参加している。私自身、監督3球団目なので、過去に多くの選手を日本代表に送り出してきた。そういう時はいつも、国際大会で世界一を勝ち取り、元気に帰ってきて公式戦で活躍してほしいという気持ちだ。
 近鉄監督時代の2004年、岩隈(マリナーズ)をアテネ五輪に送り出したことがあったが、体調不良で期待通りに活躍できなかった。チームに帰った後、エースの働きをしてくれたのはありがたかった。ただ一方で、どこか代表チームに対して申し訳ない気持ちになった記憶がある。
 13年の第3回WBCの時は、野手総合コーチとして山本代表監督の下、戦った。WBC公認球はNPBで使う球よりも滑りやすい。13年大会の時は、打撃投手を務めようとしても、投げる度にぬれたタオルで手を湿らせなくてはいけなかった。今回の球を実際に触ってみたが、だいぶしっとりとして指になじみやすくなった。

 そうはいっても、公認球への対応は投手の出来不出来の鍵を握るだろう。今回、1、2次リーグ会場の東京ドームは風の影響がないからそれなりに制球できるかもしれないが、米国の球場は土地ごとに気候や湿度が違う。特に準決勝と決勝の開催地、ロサンゼルスのドジャースタジアムはボールが滑りやすいからだ。
 WBCは開幕投手の人選にも影響する。09年大会の時は日本ハムの監督としてダルビッシュ(レンジャーズ、宮城・東北高出)を代表に出したが、WBC終了から開幕まで10日程度あったし、本人も「大丈夫だ」と言うので任せた。今回、3月31日の開幕戦までの間隔が1週間程度と短い。WBCの熱戦を終えた精神的、肉体的な疲労は当然ある。13年を振り返ると、WBCに当時東北楽天の田中(ヤンキース)が出たため、当時の星野監督(現球団副会長)が新人の則本を開幕投手にする決断をした。

 13年大会で、コーチとして日の丸を背負い「やってやるぞ」と戦った興奮は鮮明に覚えている。日本シリーズとはまた違う重圧と緊張感を味わったのは私の財産だ。プエルトリコに準決勝で敗れて大会3連覇ができなかっただけに、今回の代表に王座を奪還してほしい。そして20年東京五輪に向け、野球人気を盛り上げてほしいと願う。


2017年02月25日土曜日


先頭に戻る