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<秋田知事選>園芸強化 足らぬ人手

ネギの苗の生育状況を確かめる轟ネオファームの高橋代表。地域では繁忙期の人手確保が課題になっている

 任期満了に伴う秋田県知事選(3月23日告示、4月9日投開票)は、告示まで1カ月となった。最大の県政課題が、加速する人口減少だ。県人口は毎年1万以上減り、年内の100万割れが確実視されている。高齢化率も全国トップの33.8%(2015年)と上昇を続けている。人口減と少子化の影響が顕在化する県の現状と課題を探った。(秋田県知事選取材班)

◎迫る人口100万割れ(下)農業振興

<コメ偏重脱却へ>
 能代市轟(とどろき)地区の16ヘクタールの畑に、ビニールハウスが点在する。秋田県などが整備に力を入れる園芸メガ団地の一つで、あきた白神農協(能代市)が事業主体となり、地域でブランド化を進める「白神ねぎ」の栽培拠点だ。
 園芸メガ団地は、農事組合法人「轟ネオファーム」(同市)など四つの経営体に貸し出されている。1団地当たり1億円の年間販売目標額は、生産を始めた2015年度に早くも達成し、16年度は1月末現在で1億5400万円と順調に伸びている。轟ネオファーム代表の高橋裕さん(64)は「収量を増やす余地はまだある」と自信を示す。
 県の15年の農業産出額は1612億円。東北最下位で、全国でも20位にとどまる。産出額の半分をコメが占めているのが特徴で、米価が下落した14年は1473億円と前年より243億円も落ち込んだ。そのため、県は、「コメ偏重型」からの脱却を目指して複合型生産構造への転換を急ぐ。
 野菜や花きといった園芸作物などを大規模施設で生産する園芸メガ団地は、その核となる。県の園芸メガ団地育成事業は13年度に始まり、整備費の半額を県が負担するほか、地元自治体も助成する仕組みだ。
 県は17年度までに県内8地区に整備。園芸メガ団地を起爆剤にして「生産拡大を一気に実現」(県園芸振興課)し、園芸産出額の10億円以上の積み増しを目指す。

<「個人では限界」>
 一方、急な規模拡大に伴い、生産現場では繁忙期の労働力確保が課題に浮上している。園芸作物は機械化の進んだコメよりも人手が必要になるからだ。
 轟ネオファームもネギの収穫が盛んになる7〜12月に箱詰め作業などで10人を臨時雇用する。うち、新規は5、6人。ハローワークで募集したほか、新聞に広告を出したが、「その確保が難しい」と高橋さんは漏らす。
 地域からも同様の声が上がり、あきた白神農協は18年3月、働き手と農家をつなげる無料職業紹介所を開設する。
 同農協はネギの栽培面積をこの4年間で117ヘクタールから10ヘクタール程度広げて産地強化を図った。佐藤和芳営農企画課長は「規模を拡大すれば、多くの人が必要になる。個人のつてだけでは限界だ」と述べ、「地域の高齢化が進めば、手伝ってくれている人も来られなくなる。将来を考えると設置せざるをえない」と戸惑いを隠さない。
 白神ねぎは産地を挙げて品質向上を図ってきたことで、首都圏での1ケース(5キロ)の単価は12年の1250円から1700円前後に底上げされた。「今後、人の確保はますます厳しくなる。作業の遅れが品質に影響しかねない」。佐藤課長は危機感を募らせる。

[園芸メガ団地]2013年度に事業がスタート。整備に着手したのは14年度からで、能代市や大仙市など3地区。15年度は秋田市、にかほ市など4地区で、16年度は大館市の1地区で整備を進めている。ネギやトマト、枝豆のほか、ダリアなどを栽培している。


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2017年02月25日土曜日


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