岩手のニュース

<震災6年>再婚し長男誕生 生きがいかみしめる

再建した店で客と接する(右から)小島さちこさん、空大ちゃん、幸久さん

 東日本大震災で被災し、家族4人全員を失った岩手県陸前高田市の小島幸久さん(45)が、市内の高台に自宅兼店舗を再建し、電器店の営業を25日始めた。震災から約6年。妻さちこさん(38)と出会って再婚し、長男が生まれた。「笑顔が絶えない家庭や店にしたい」と生きがいをかみしめる。
 「ようやくこの日を迎えられた」。開店あいさつで、周囲の支えに感謝した小島さんは「最後にさちこ、本当にありがとうございました」と声を震わせた。
 震災で父捷二(しょうじ)さん=当時(69)=、母キミさん=同(62)=、妻紀子さん=同(38)=、長女千空(ちひろ)さん=同(7)=を亡くした。父の代から続く店も自宅とともに全壊。消防団で出動した小島さんだけが生き残った。
 仮設店舗で再開し、家電の据え付けや修理に走り回った。忙しさで気持ちを紛らわした。帰宅すると1人。「なんでこうなった」。やるせなさが募った。
 さちこさんと出会ったのは震災から3年半が過ぎたころ。「4人はずっと心の中にいる」。家族の思い出を話しても自然に受け入れてくれた。運命の人だと感じた。1年後に結婚した。
 昨年11月、長男が生まれた。2人で話し合い、千空ちゃんと同じ「空」を入れて「空大(そらた)」と名付けた。「多くは望まないけれど、元気で育ってほしい」と願う。仕事から帰宅すると、家族がいる日常に、幸せを感じる。
 毎朝、さちこさんは遺影の前にごはんやお茶を供え、手を合わせる。小島さんの気さくな人柄を好きになった。それは4人と過ごした時間で育まれたんだと思う。
 開店初日、来客は切れ目がなかった。先代のように、気軽にお茶が飲める家庭的な店が小島さんの理想だ。「力になってくれる人が周りにたくさんいる。役立てるよう、努力したい」


2017年02月26日日曜日


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