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<子どもの貧困>対策強化 学習支援など実施へ

 東北6県と仙台市は2017年度、深刻化する子どもの貧困への対策を強化する。経済的に苦しい家庭の子どもに学習支援や生活支援を展開したり、保護者の就労を支援したりする事業費などを当初予算案に盛り込んだ。経済格差で子どもの将来が左右されないよう、東北でも取り組みが本格化してきた。
 6県と仙台市が17年度当初予算案に新規計上した子どもの貧困対策の主な事業は表の通り。仙台市や宮城、秋田両県は16年度に実施した関連調査の結果などを踏まえ、具体策に踏み込んだ。
 仙台市は子どもの貧困対策に約1億円を充てた。昨夏に実施した市の調査で、市の独自基準で貧困とされる世帯で生活する子どもの割合が11.9%に上った。市の担当者は「貧困の連鎖を断ち切りたい」と話す。
 特に高校生の中退防止に力を入れる。市内の生活保護世帯で暮らす子どもの高校中退率は5.8%と全国(4.5%)より高く、進級支援や悩み相談、居場所づくりなどに乗り出す。
 宮城県は貧困や孤独に悩む子どもたちに食事や交流の場を提供する「子ども食堂」の開設を後押しするため、運営団体向けの講座や相談会を開く。町村部の生活困窮世帯の小中高生を対象とする学習支援拠点を8カ所新設することを柱の一つに位置付ける。
 秋田県は子どもの学習支援や生活困窮世帯の家計相談に重点配分した。県が昨年実施した一人親世帯などへの調査で「子どもの進学が心配」「子どもにお金がかかり困っている」との回答が、それぞれ7割を超えた。中学生が基礎学力や学習習慣を身に付けるための支援や、ファイナンシャルプランナーが生活困窮世帯に教育資金の準備などを助言する新規事業を始める。
 青森県は大学入学時の必要経費を100万円まで支援する奨学金制度を、16年度に引き続き実施する。岩手県は一人親家庭の相談に応じる支援員の研修会を開き、スキル向上を図る。山形県は「ひとり親家庭応援センター」の相談員を増やし、親の就職支援などを強化。福島県は支援団体のネットワーク化に取り組む。
 平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす子どもの割合を示す「子どもの貧困率」は12年、全国で過去最悪の16.3%を記録した。14年施行の子どもの貧困対策推進法に基づき、東北6県は15年度に行動計画を策定。仙台市も17年度にまとめる。これらの計画に沿った対策をいかに広げられるかが課題となる。
 岩手県は「今後は市町村レベルで普及啓発し、地域の実情に応じた施策に取り組む」と強調。各県の動きを起爆剤に、市町村も対策を加速させつつある。


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2017年02月26日日曜日


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