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<水道3事業一体化>国、県、企業 思惑交錯

水道3事業の一体化について議論した官民検討会

 宮城県の広域上水道と下水道、工業用水の3事業を一体化する全国初の官民連携策の検討が本格的に始まった。設備の更新経費を削減したい県、公共インフラの民営化を成長戦略に位置付ける政府、新ビジネスの開拓を探る民間企業。運営を持続させる利益確保と、安全で安価な公共サービスを両立する工夫が問われる。(報道部・片桐大介)
 県庁で9日あった官民検討会。内閣府の福田隆之大臣補佐官は「行政では見えぬノウハウ、付加価値が民間なら見えるものがある」と話し、民間資金の導入によるメリットを挙げた。
 全国の自治体でPFI(民間資金活用による社会資本整備)、PPP(官民連携による公共サービス提供)の手法で水道、道路、空港を民間に委ねる取り組みが進む。福田氏は「全国のモデルを作る意義がある」と強調した。
 政府は、県の要望に沿う形で水道法の改正案を開会中の通常国会に提出する見通しだ。パートナーとして期待される民間企業側も、公共サービス部門への進出を新たな商機とみる。
 英国で水道事業に投資実績がある三菱商事。倉持秀夫水事業部長は「安定的収入が見込め、今後伸びる分野と考える。公共サービスを担うことは、企業の社会的価値を高めることにもつながる」と説明する。
 県による水道3事業の一体化案は、変則的な民営化方式に特徴がある。上水は運営企業が各市町村に販売し、料金設定は県議会の議決を必要とする。住民が市町村に払う水道料金の引き上げを防ぐのが狙いだ。
 県の関与を残す仕組みに対し、七十七銀行の遠藤禎弘地域開発部長は「料金を官が決めるままならば、効果を見いだしにくい。なかなか難しいのではないか」と疑問を指摘した。
 他の企業からも、管路を除いた機械などの設備更新を企業側が担うため「リスクと対価のバランスが大切」との発言が相次いだ。
 世界有数の「水メジャー」とされるフランス・ベオリア社日本法人の山崎敬文副社長は、将来は市町村が担う家庭への給水も民営化すべきだと主張。「蛇口までの一体的な運営が最適」との考えを示した。
 県は2018年度に民間運営の仕組みを整え、19年度に企業を選定する方針。20年度に3事業一体運営の開始を目指し、協議を進める。


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2017年02月27日月曜日


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