山形のニュース

<この人このまち>わら細工の技術後世に

高橋伸一(たかはし・しんいち)1975年真室川町生まれ。新庄北高卒。94年4月に町役場入り。企画情報課、産業課を経て2016年3月、交流課勤務を最後に退職。昨年4月、「工房ストロー」を開設し、主にネットを通じて販売している。しおり、編みタカノツメ324円(税込み)から。

 どこか懐かしく、温かみのあるわら細工。山形県真室川町の高橋伸一さん(41)は昨年3月、町職員を辞めて家業の農業を継ぎ、自宅にわら細工の「工房ストロー」を設けた。地域の宝として技術を継承し、今の暮らしに合うよう工夫を重ねる傍ら、体験型講座を通じて手仕事の魅力を発信しようと奮闘している。(新庄支局・菅野俊太郎)

◎工房ストロー主宰 高橋伸一さん

 −なぜ、わら細工工房を開こうと思ったのですか。
 「5年ほど前、町の産業課でブランド化戦略を担当し、地元の作物や工芸品といった、身近にあるものに目を向ける大切さを再認識しました」
 「ちょうどそのころ、わら細工を学ぶセミナーに一市民として参加しました。わら細工の技術は長年人々が培ってきて高いレベルにあるのに、継承されなくなっていることに危機感を覚えました。継ぐ人がいないのであれば、自分がやろうと決断しました」

 −何を作っていますか。
 「鍋敷きやほうきのほか、卵を入れる『つと』、ワインなどの持ち運び用ボトルケース、子どものファーストシューズサイズのミニわらぐつなど。見せるインテリアを意識しています」
 「例えば、ホタルかごをアレンジしたランプシェード。熱の少ないLEDライトを使い、照明として製品化できました。間接照明や常夜灯に向いています」

 −わら細工の魅力は何ですか。
 「稲作と共に育まれてきました。わらは加工することで、何にでも形を変えられます。年配の人には懐かしく、若い人には新鮮に感じる素材です。同じ物でも反応がこれほど違うものは珍しいと思います」
 「編み方は地域ごとに少しずつ違っていて、興味深いです。全てを受け継ぐのは難しいですが、できるだけ作り手の先輩方を回ってやり方を吸収したいです」

 −今後の活動は。
 「自らの技術を上げ、現在の生活様式に合う製品作りを目指そうと思います。『編み方を教えてほしい』という人たちからのワークショップ開催依頼も大切にしたいです。自分で作る喜びは代え難いはずで、興味を持つ人が増えてくれればうれしいです」
 「農家なので稲作や畑作を頑張らないといけません。自分で稲を植え、刈り、乾かすという一連の作業も、わらを得るのに欠かせない大事な工程の一つです。春から秋までの仕事があってこそのわら細工と考えています」


関連ページ: 山形 社会

2017年02月27日月曜日


先頭に戻る