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<福島第1>廃炉工程 ようやく登山口

廃炉を登山に例え、「登山口にようやくたどり着いたところだ」と語る増田氏

 東京電力福島第1原発事故から6年を前に、東電福島第1廃炉推進カンパニーの増田尚宏最高責任者が河北新報のインタビューに応じた。溶融燃料(燃料デブリ)の取り出しに向け、2月上旬に実施したサソリ型ロボットによる2号機格納容器の内部調査について「原子炉直下に行けなかったのは残念だが、先につながる情報を得られた」と強調した。廃炉の現状を「登山口にようやくたどり着いた段階」と表現した。(聞き手は福島総局・大友庸一)

◎東電福島第1廃炉推進カンパニー 増田尚宏最高責任者に聞く

 −ロボットは圧力容器下部に到達できず、溶融燃料を確認できなかった。
 「カメラ付きのパイプを使った事前調査で、圧力容器下部の画像を撮影できた。毎時650シーベルトの高い推定放射線量が観測され、皆さんに心配を掛けたかもしれないが、中の様子を少しでも見られたのはよかった」
 「ロボットが圧力容器の真下に行けなかったのは残念だが、さまざまな情報を得られ、先につながると思う。溶融燃料がどこにどう散らばっているのか確認するため、今後も何度かチャレンジする必要がある」

 −今年夏ごろに予定する号機ごとの溶融燃料取り出し方針決定は遅れないか。
 「方針をなるべく絞り込んだ方が、取り出し技術の開発に向けて動きやすくなるのは確かだ。ただ、曖昧さが残っても一定の方針は決める。内部の調査ができなかったから方針が決まらないということではない」

 −昨年12月、人為的なミスで3号機の炉心注水が一時停止した。
 「作業環境が悪く、人がスイッチにぶつかっただけで注水が止まってしまった。事故後に付け焼き刃で造ってきたさまざまな設備を見直していく必要がある。廃炉までの30〜40年間、安定した状態を保てるシステム構築が課題だ」
 「事故から6年を経て、汚染水対策などは落ち着いてきた。ただ、これまでの作業を登山に例えると、必要な装備が分かり、登山口にようやくたどり着いた段階だ。山の高さは分かっていない。一歩一歩登っていくしかない」

 −国は昨年、廃炉費用が従来の2兆円から8兆円に膨らむとの試算を公表した。廃炉費用に関する情報公開が必要ではないか。
 「東電が資金をしっかり工面し、廃炉を着実に進めるのが大事。費用は最終的には電気料金で負担していただくので、効率的な作業で費用を下げる必要はあるが、どれだけのお金をかけているのかをあえて具体的に示す必要はないと考える」


2017年02月27日月曜日


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