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<タリウム事件>責任能力と殺意 主張二分

 名古屋市で知人の高齢女性を殺害し、仙台市で同級生2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた元名古屋大女子学生(21)=仙台市出身、事件当時未成年=の裁判員裁判の中間論告公判が27日、名古屋地裁であり、検察側は「精神障害の影響は限定的で、責任能力は完全に認められる」と訴え、弁護側は「精神障害の影響は重大で、責任能力はなかった」と改めて無罪を主張した。
 論告・弁論は審理の最後に1度あるのが通例で、中間に設けられるのは異例。主な争点となった(1)各犯行時の責任能力(2)劇物混入事件の殺意(3)タリウム中毒による傷害が残った期間−の3点に絞り、検察、弁護側の双方が主張を述べた。
 検察側は「発達障害の影響で興味が『人の死』などに偏っていたが、普通に生活し、重度ではなかった。双極性障害(そううつ病)の軽いそう状態は実行に『弾みをつけた』程度で、各犯行全体を支配するほど重大ではなかった」と主張。各犯行の違法性を「認識していた」とし、「普段の人格が犯行動機につながった」と強調した。
 劇物混入事件では「タリウムに関する豊富な知識があり、死ぬ危険性が高いと理解していた。『死んでも構わない』との殺意があった」と指摘した。
 弁護側は「精神発達上の障害の影響で関心のベースには常に『死』があり、重度のそう状態が重なると、判断機能が停止して行動を制御できなくなる」と反論。劇物混入事件についても「障害の影響で、投与時に死亡の危険性は意識していなかった」と述べた。
 弁護側は、元名大生が仙台市内の私立高2年の時、薬品の収集を仙台北署が厳重注意し、高校も薬品への執着を把握していた事実に言及。「既に日常生活は破綻し、入院が必要な状況だった。警察の不適切な対応や高校の無関心により、適切な対応がされなかった」と批判した。
 情状などを踏まえた論告求刑・最終弁論は3月10日にある。


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2017年02月28日火曜日


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