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<防潮堤>宮城 最大30cm引き下げ

 東日本大震災後に被災地で建設が進む防潮堤を巡り、宮城県沿岸部に整備される防潮堤の高さが地表から最大30センチ引き下げられることが28日、分かった。国土地理院は同日、東北の太平洋沿岸部などの再測量結果を公表。地盤の隆起に伴って計画を見直す箇所は全体の2割強に及ぶ。国や県などは見直しによる資材コストの削減と、陸地側からの景観改善を図る。
 震災に伴う地盤沈下を踏まえ、国土地理院は2011年10月、公共事業の実施時に高さの基準として使う水準点を改訂。その後の衛星利用測位システム(GPS)による観測で、地盤の隆起が各地で確認された。
 国土地理院は16年8〜12月に青森、岩手、宮城、福島、茨城各県の太平洋沿岸と内陸部の573地点で再測量を実施。主な地点の隆起高は図の通りで、11年10月との比較では、石巻市鮎川の隆起高が約30センチで最も大きかった。
 宮城県沿岸部では国、県、市町が防潮堤を382カ所建設する。そのうち、未完成の気仙沼、南三陸、石巻、東松島、塩釜5市町の89カ所(23%)について、改訂された水準点を反映して、地表からの高さを数センチから30センチ引き下げる。
 高さを見直す地点は気仙沼市の気仙沼漁港、同市本吉町の小泉海岸、石巻市の雄勝港など。東京湾を基準とした海面からの高さ(海抜)は変わらない。
 岩手県は、水準点の再測量を踏まえた高さの変更はしない見通し。福島県は、東京電力福島第1原発事故の影響で帰還困難区域となっている大熊、双葉、富岡3町沿岸の防潮堤8カ所が未着手となっており、新たな水準点を反映して建設する方針を示している。
 被災した沿岸部では、数十年〜百数十年に1度発生が予想される高さ(L1)の津波を防御するため、11年に防潮堤の高さが海抜2.6〜15.5メートルに設定された。数百年に1度の震災級津波は防御できない。


2017年03月01日水曜日


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