宮城のニュース

<さくら野仙台破産>解雇通知「言葉失った」

慌ただしく商品の搬出作業が続けられる店舗内=28日午前10時15分ごろ、さくら野百貨店仙台店

 さくら野百貨店仙台店(仙台市青葉区)の運営会社エマルシェ(同)が27日、自己破産手続きの開始決定を受け、約70年の歴史に幕を閉じた。突然の閉店に解雇された従業員は言葉を失い、取引先の多くは債権回収ができない状況に陥った。JR仙台駅前の一等地に起きた破綻劇。その余波が地域経済に与える影響は大きい。

◎創業70年に幕(上)悲嘆

<見通し不透明>
 自己破産から一夜明けた28日。2階フロアの約半分を占める海外アパレル「H&M」は、午前10時から通常営業を始めた。若い女性を中心に人が集まる光景はこれまでと変わらない。
 H&M以外の2階フロアは別世界だ。さくら野仙台店の直営テナントでは、スタッフらが在庫品の搬出作業に追われた。
 婦人服ブランドの従業員女性(48)は、午前9時半からスタッフ5人と作業に当たった。来店客の迷惑にならないように搬出時間は制限されている。「5日間で搬出を終えたいが、可能かどうか」。女性は不安げにつぶやいた。
 H&Mのほか、1階のドコモショップ、5階のICI石井スポーツ、6.7階のブックオフなど直営以外の10店は営業を継続しているが、見通しは不透明だ。
 ブックオフの小林慶祐店長(37)は「市内で一番大きい店で従業員も多い。可能な限り営業を続ける。ただ、いつまで続けられるか分からないという不安はある」と話す。
 商品を納入した取引業者への影響も大きい。3月8日までに商品を搬出するよう求められているが、回収することができるのは、契約上の所有権が残る商品に限られ、それ以外は破産管財人に差し押さえられる。
 差し押さえた商品の売却代金は債権者約480人に配分されるが、関係者は「大きな収益は期待できず、債権者の取り分はほんのわずかだろう」と明かす。
 自己破産の影響をあまり受けないのは、中高生の学生服の発注事業ぐらいで、藤崎に引き継ぐ方向だ。

<「申し訳ない」>
 さくら野仙台店は2002年、民事再生後に再出発したものの、再建途上の信用面の不安もあり、メインバンクを持てなかった。資金繰りに窮し、約31億円の負債を抱えながら自己破産を選択した。
 関係者によると、従業員約120人に解雇通知が出されたのは自己破産前日の26日夜。ある従業員は「誰もが寝耳に水で言葉を失った」と振り返る。
 一部の従業員は残務処理のため出勤を続ける。「申し訳ない。申し訳ない」。エマルシェの安藤俊社長は28日、従業員に頭を下げながら店舗内を回った。婦人服担当の女性は「商品の返品作業が終わったら、新しい仕事を探さないといけない」とうなだれた。


関連ページ: 宮城 経済

2017年03月01日水曜日


先頭に戻る