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市民劇団 津波犠牲団員が主演務めた演目再び

追悼の思いを胸に、団員たちの稽古にも熱が入る=気仙沼市本吉公民館

 宮城県気仙沼市本吉町の市民劇団「おのずがだ劇団MOO(モー)」は5日、市はまなすホールで第12回公演「ポーポー様」を上演する。19年前の旗揚げと同じ演目の改訂版。当時主演し、東日本大震災で43歳で亡くなった団員への追悼の思いを込める。「いい舞台をつくり上げることで、天国の彼も喜んでくれる」と、出演者の稽古に熱が入る。
 1998年に旧本吉町の町民劇団として結成され、2009年の市町合併後も、地域の歴史や文化を掘り下げたオリジナル作品を上演している。「おのずがだ」は方言で「また会いましょう」の意味だ。
 「ポーポー様」は町に伝わる民話を題材にした、息を吹きかけ病人の痛みを和らげる能力を持った人物の物語。雷神が人柱として要求した村の娘を、わが身を顧みずに救った。
 旗揚げ公演で主役を演じた小学校教諭村田敏さんは、震災の津波で亡くなった。劇団の大原努団長(60)は「明るく包み込むような人柄で、みんなを支えてくれた」と早世を惜しむ。
 七回忌になる村田さんを追悼し、劇団も初心に返って進もうと上演を決めた。
 初演から月日がたったことから、人物設定など脚本を改訂して小山正寿さん(52)が演出。小学校3年生から80代まで、キャストとスタッフ合わせて40人ほどで舞台をつくる。町内の馬籠小で村田さんに教わった卒業生も出演するという。
 「劇中の『見えなくても、聞こえなくても、家族は一緒』というせりふが全て」と小山さん。震災を思わせる場面はないが、家族の大切さ、人と人との心のつながりを涙と笑いの中で訴える。
 大原団長は「悼む思いを村田さんに伝えるとともに、市民の心の復興、古里の文化振興につながればうれしい」と話す。
 開演は午後2時。入場料1000円(当日200円増し)。前売り券は本吉町内の3公民館で扱っている。連絡先は同劇団0226(44)3472。


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2017年03月01日水曜日


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