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<むすび塾>新旧住民、大津波想定し訓練

避難訓練で漁港から高台を目指す住民や大学生=28日午後1時10分ごろ、宮城県南三陸町歌津

 河北新報社は28日、通算64回目の防災・減災ワークショップ「むすび塾」を宮城県南三陸町歌津の寄木(よりき)地区で開いた。新旧住民ら約20人が初めて大津波を想定した避難訓練に臨み、東日本大震災の教訓を基にした津波防災について意見交換。震災から間もなく6年を迎えるのを前に「地域から犠牲を出さない」との誓いを新たにした。
 寄木地区は海に面した漁業集落で、震災時は約15メートルの津波に襲われた。四十数戸のうち8割が流され、住民3人が犠牲になった。高台への集団移転が完了するとともに、観光牧場「さとうみファーム」が地区内にオープンし、県外移住者が増えた。
 訓練は10メートル超の津波が予想されると想定。寄木漁港近くで作業する漁師と学生ボランティア、ファーム従業員が海抜15〜16メートル地点にある高台に駆け上がった。
 訓練後、地区の集会所で行った語り合いでは、広島、長野両県出身の新住民が「避難経路を実際に足で確かめることができた」と話し、寄木行政区の高橋七男区長(67)は「地域全体の安全を確保するのは地元の人間の務め」と強調した。地区では「地震イコール津波」の意識が高く、新しいコミュニティーでも共有する必要性を確認した。
 コメンテーターとして参加した東北大災害科学国際研究所の邑本俊亮(としあき)教授(認知心理学)は「防災は体を動かして身に付けることが大事。互いの考えを地域で話し合うことでそれぞれの学ぶ場になり、防災意識も高まる」と述べた。


2017年03月01日水曜日


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