岩手のニュース

<遠野住宅全焼>なぜこんなことに…集落沈痛

住宅2棟が全焼し、4人が行方不明になっている火災現場=28日午前6時45分ごろ、遠野市松崎町

 岩手県遠野市松崎町駒木の農業太田明さん(81)方の焼け跡で28日、家族とみられる4人の遺体が見つかり、集落に悲しみが広がった。「なぜこんなことに…」。駆け付けた知人らは悲痛な表情で現場を見詰めた。
 明さんは約20年前に営林署を退職し、コメなどを作っていた。近くの農業太田和夫さん(66)は「毎日軽トラックで田畑に通っていた。農作業の助言をもらい、無理しないようにと気遣ってくれた」と振り返る。
 妻の幸子さん(74)は長年、市内の建設資材の商社に勤めた。定年後は系列会社でギフト販売の営業を担当。東日本大震災時は、社員のために一生懸命おにぎりとみそ汁を作った。
 同僚の菊池仁恵さん(49)は「昨日も『さよなら』と言って退社していた。若手社員の身だしなみや生活態度を注意する頼りになる人だった」と泣き崩れた。
 幸子さんの父三治さん(95)は駒木鹿子(しし)踊り保存会の踊り手として知られ「遠野まつり」のポスターに登場したことも。保存会の岩間一実会長(62)は「踊りが好きで熱心だった。私も指導を受けた」と語った。
 母キエさん(94)は以前婦人会のとりまとめ役だったが、昨年夏ごろから外出しなくなったという。近所の太田イサ子さん(81)は「数日前に訪ねたときは『暖かくなったら外で草取りして遊ぶべ』と笑い合ったのに」と悲しんだ。


関連ページ: 岩手 社会

2017年03月01日水曜日


先頭に戻る