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<震災6年>首長 私の考える創造的な復興

薄暮の街に灯がともる。手前の造成地に集合型の災害公営住宅や一戸建て住宅が並ぶ。海を行く船が光跡を描く=2016年12月26日、宮城県女川町

 東日本大震災の津波被害や東京電力福島第1原発事故で避難区域に指定された岩手、宮城、福島3県の被災42市町村の首長を対象に行ったアンケート(福島県川俣町長を除く41人が回答)で、「創造的復興」について考えを聞いた回答(自由記述)は以下の通り。

■岩手県■■■■■■■■■■■

 ▽遠藤譲一久慈市長…復旧・復興により生まれたソフト・ハード両面の資産や、人のつながりなどを生かした魅力あるまちづくりを進め、震災前以上に活気あふれる市にしていくこと。

 ▽小田祐士野田村長…分からない。

 ▽柾屋伸夫普代村長…魅力を感じられる村。この村に住みたい、この村で働きたいと思えるようにする復興。

 ▽伊達勝身岩泉町長…住民の生きがいの創出を図るとともに、地域ににぎわいと活気を取り戻し、魅力的な街に復興すること。

 ▽石原弘田野畑村長…地域住民が心を一つにして、小さな出来事、小さな思い、小さな事柄を積み重ねながら地域力を高めていくこと。

 ▽山本正徳宮古市長…住民が住み続けたい環境づくり。

 ▽平野公三大槌町長…ハード面での安心・安全なまちづくりをベースとしながらも、「人」と「人」との関わりを大切にする「心」「人」の復興を目指す。

 ▽野田武則釜石市長…市民一人一人が手を取り合って、また私たちのまちを応援してくれる多くの人の力を借りながら、「三陸の大地に光り輝き希望と笑顔があふれるまち釜石」を構築すること。多様な人材が還流し、地域の課題と可能性を自分事として捉え、新たな事業機会や市民活動が生み出されることによって希望が連鎖していく、という循環を確立する。このことによって「市民一人一人が役割を持つ、もっと開かれたまち」を実現する。

 ▽戸田公明大船渡市長…震災前の課題を克服する、またはそのきっかけとなる復興を創造的復興と位置付けたい。すなわち「復興需要の収束と共に震災以前の状況に戻るのではなく、震災前よりも高いところに軟着陸させること」である。
 高いところの意味は「震災前よりも経済が元気であること」「震災前よりも市民所得が高いこと」「震災前の少子化傾向にストップをかけること」「高齢化社会に合った助け合いのある地域づくりをすること」などである。
 これらは、どれも困難な課題であるため、復興期間の10年間では克服できないものばかりである。多様な知恵を生かしながら、長期的に取り組んでいく。

 ▽戸羽太陸前高田市長…陸前高田市が果たすべき役割を政策に据え、オンリーワンのまちづくりをすることにより、持続可能な地域を創ること。

■宮城県■■■■■■■■■■■

 ▽菅原茂気仙沼市長…従来、まちに存在する社会的課題を解決すること。また、まちの進むべき方向性に合致し、そのための布石や推進役(拠点)となるもの。

 ▽佐藤仁南三陸町長…単に震災前の状態に回復するだけではなく、成熟社会を取り巻く諸課題にも対応させた新たなまちづくりを目指すものと考えています。その例がバイオマス産業都市構想であり、自然環境と調和した住環境整備、再生可能エネルギーの導入促進、廃棄物の減量とリサイクルの推進などにより、エコタウンの実現を目指しています。

 ▽亀山紘石巻市長…市民を主体とした自立的かつ持続可能なまちづくり。交流人口の拡大。市域の均衡ある発展。

 ▽須田善明女川町長…「復興とはその道のりを通じて新たな価値や地方の可能性を生み出すこと」だと言ってきた。本町におけるそれは、人口減少下でも持続可能な地方小都市の在り方を、復興を通じて実現していく、ということである。
 前記の施策を例にとると、都市構造は日常の動線集約による活力の維持創出を企図するものである。公民連携は「公共=行政」という考え方でなく、行政と民間がそれぞれ役割分担しながら公共を担っていく、ということである。
 その場合、民間の取り組みに当たっては、その継続について補助金依存を最大限低減(ものによっては不要化)させ、事業としてマネタイズ(収益化)されるものを生み出す努力をしていくこととなる。
 つまり、人口のみならずシュリンク(小さく)していく地方社会にあってもサービス維持・向上させながら持続していく自治ならびに、そのマネジメントの実現を目指すものである。町事業ではないが、県による仙台空港の民営化などはその典型例。非常に良い取り組みである。

 ▽阿部秀保東松島市長…市民協働の取り組みで培った「市民力」を生かしたまちづくり。「鎮魂」と「感謝」を忘れずに進めている取り組みの伝承。検証と改善を意識した復興の推進。

 ▽佐藤昭塩釜市長…塩釜市の地域特性や地域資源を最大限に有効活用し、市職員と民間、市民との連携により、前例にとらわれない新たな発想で実施される、復興の先進的なモデルとなるような「塩竃(がま)方式」の復興。

 ▽菊地健次郎多賀城市長…東日本大震災からの復興を成し遂げるために、被災によるインフラ被害など(マイナス)を復旧(ゼロに)するだけでなく、市の将来像を市民と共につくり上げたプラスの復興を意味する。多賀城市では、八幡字一本柳地区に整備している津波復興拠点へ企業を誘致することにより雇用を創出し、市内を縦断する2本の緊急避難道路を整備し、復興のシンボルとしての駅前再開発事業などを施行することにより、震災前以上に元気で活力があり、誰もが安心して暮らすことのできるまちを目指す。

 ▽奥山恵美子仙台市長…震災の教訓を踏まえたソフト・ハード両面からの災害に強いまちづくりのほか、東部地域において、新たな産業集積や収益性の高い農業への転換、集団移転跡地の新たな土地利用によるにぎわい創出など、総合的な復興に向けた取り組みを進めている。

 ▽山田司郎名取市長…安心・安全なまちの再建に向けた復旧はもちろんですが、それにとどまることなく、周辺のまちと調和しつつ、将来にわたり持続・発展していけるまちが形成されること。

 ▽菊地啓夫岩沼市長…安全・安心のまちづくりを最も大きな柱とし、住民が自らまちづくりを進めることが重要。そのためにはコミュニティーを最大限尊重することが求められる。

 ▽斎藤貞亘理町長…震災前以上の新たな魅力と活力(特になりわいの充実)。災害に強い持続可能なまちづくり。

 ▽斎藤俊夫山元町長…震災による被害規模はあまりにも大きく、復旧・復興の施策は町行政のあらゆる分野・事業に及び、長期にわたり、町が総力を上げて取り組まざるを得ないものとなっている。震災からの復興を図っていく中で、単なる復旧にとどまらず、これまでの町の課題であった「人口減少」「少子化」「にぎわいと活力の創出」などを踏まえて、これからの町の将来を見据えた誰もが住みたくなるようなまちづくりに取り組むこと。

■福島県■■■■■■■■■■■

 ▽加藤憲郎新地町長…震災以前の姿に戻すのではなく、新たな視点から「まち」を再生する。

 ▽立谷秀清相馬市長…(1)以前より安全な地域(2)被災地の合理的再建、景観の美化(3)就労の場が増える、所得が増える(4)交流人口の拡大(5)市民と行政のさらなる協働を進める(6)再建施設(新規も含めて)の利活用による市民生活の向上。

 ▽桜井勝延南相馬市長…原発事故後の人口減少に対し、新しい産業創出で挑戦する。新たな人材を育て、交流し続ける。

 ▽菅野典雄飯舘村長…「心のシェア」の視点を取り入れた復興。

 ▽篠木弘葛尾村長…震災前は想定できなかった基盤整備事業。住民が安心して笑顔で暮らせる仕組みづくり。住んでみたいと思える魅力づくり。安定的な財源の確保。

 ▽伊沢史朗双葉町長…各自治体が自由に復興の取り組みができること。また、規制による制限がなく財政支援があること。

 ▽渡辺利綱大熊町長…前例にとらわれず、新しいことにチャレンジしていく積極的な姿勢。

 ▽宮本皓一富岡町長…被災前の復旧だけでない新たな町づくり。従前の住民と新規の住民で新しい富岡町をつくる。

 ▽松本幸英楢葉町長…「新生ならは」の創造を掲げる町復興計画に盛り込んだ事業の確実な推進。

 ▽遠藤智広野町長…災害に強く、働き方と暮らし方を一体的に捉え、町民の生命を守り、将来世代が今回の復興事業の利益を享受できる町づくり。

 ▽遠藤雄幸川内村長…人口減少、高齢化社会の環境に対処した新生かわうち村。

 ▽清水敏男いわき市長…市民一人一人が、震災前の安全で快適な生活環境を取り戻した上で、市民の誰もが「住んで良かった、住み続けたい」と思える魅力あるまち「明るく元気ないわき市」の実現。


2017年02月28日火曜日


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