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<震災6年>首長「復興」五輪に戸惑い、懸念

 東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の計42市町村長に河北新報社が行ったアンケートで、2020年の東京五輪が「復興五輪」と位置付けられることについての自由記述には、戸惑いや懸念、注文が数多く寄せられた。
 (1)「東京五輪は被災地の復興に役立つか」(2)「復興五輪の理念は明確か」の設問の回答は地図の通り。(1)は54.8%、(2)は71.4%が「何とも言えない」との回答だった。
 自由記述では、東京五輪と具体的に関わる自治体が期待感を示した。聖火リレー出発地誘致に取り組む亀山紘石巻市長は「生まれ変わった被災地を全世界に発信する」と強調。五輪のプレイベント・19年ラグビーワールドカップ会場として準備を進める野田武則釜石市長は「スポーツの力による社会的・経済的効果が被災地に波及する仕組みの構築が必要だ」と言う。
 一方、多くの首長は「被災地の姿を世界に発信する」点に理解を示すが、具体像が描けず、困惑する。
 菊地健次郎多賀城市長は「東京に建設需要が集中することになり、結果として国の予算が被災地に回らなくなる。復興事業の人件費・材料費等の高騰が懸念される」と見る。「位置付けは素晴らしいが、具体化の取り組みが見えない」(阿部秀保東松島市長)「東京で開催するのは大歓迎だが、復興五輪だという意識は全くない」(戸羽太陸前高田市長)「『被災3県五輪』ではない。観光振興など過剰な期待は方向違い」(須田善明宮城県女川町長)などの指摘もあった。
 東京電力福島第1原発事故で避難区域になった南相馬市の桜井勝延市長は「被災地との関係を明確にすべきだ」と訴える。山田司郎名取市長は「被災地の復興にどう影響するのか、市町村に伝わってこない」と苦言を呈す。その上で「復興五輪の肩書だけが独り歩きすることのないよう情報交換・共有がもっと必要だ」と求める。奥山恵美子仙台市長は「(被災地に)役立つものとなるよう取り組む必要がある」と回答した。


2017年03月01日水曜日


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