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都内で宮城の味提供 惜しまれつつ居酒屋閉店

最終日に訪れた常連客に感謝する店主の阿部さん(右)

 東京・日本橋で仙台名物の牛タンや宮城県産のホヤを提供し、宮城県出身者や周辺のビジネスマンに親しまれた居酒屋「仙台 あべちゃんの店」が2月28日、惜しまれながら閉店した。仙台市出身の店主阿部秀昭さん(66)は「皆さんのおかげで夢がかなった」と常連客に感謝し、笑顔を振りまいた。
 営業最終日となった28日は常連客が次々と訪れ、店内はほぼ満席の状態。横浜市磯子区の会社員植木寿美子さん(45)は「阿部さんの人柄に癒やされ、ずんだ餅や牛タンがうまい。こんないい店はない」と話した。
 阿部さんは1966年に上京し、都内の料理店で働いた。専門は中華料理だが、自分の店は仙台名物や宮城の食材を提供する居酒屋にすると決めていた。2001年、念願の「仙台 あべちゃんの店」を開いた。
 「東京のど真ん中で仙台、宮城のよさを発信しつつ、県出身者やゆかりのある人が集う場をつくりたかった」と阿部さん。ホヤなどのほか、東京では珍しいサメの心臓まで出す店の評判は広まった。県出身者や仙台市内の大学のOB・OG、周辺の金融会社などで働く人たちが常連となり、連日にぎわった。
 一方、阿部さんは多忙になり、ほとんど自宅に帰れず、店に泊まり込む日々が続いた。妻の美代子さん(64)が「いつ倒れてもおかしくない」と心配し、阿部さんも閉店を決断した。
 阿部さんは「体力的に限界だった。最高のお客さんに恵まれ、最高の出会いがあった。料理人人生に悔いなし、だ」と語った。


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2017年03月02日木曜日


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