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<政活費>奥州市議会2.5倍増額に賛否

政活費増額が議題に上った市議会主催の住民懇談会

 岩手県奥州市議会(定数28)が政務活動費(政活費)の増額を模索している。議会活動を充実させる重要手段と位置付けるが、市は「議論を重ねてほしい」と新年度当初の予算化を見送った。全国で政活費を巡る問題が相次ぐ中、議会主催の住民懇談会でも賛否が交錯し、先行きは不透明だ
 市議会は昨年11月の全員協議会で、政活費を月1万2000円から2.5倍の月3万円に増やす方針を了承。市に予算化を要望することで一致した。「支給額の少なさ」が理由だ。
 2015年度政活費収支報告によると、月1万2000円の支給額では足りず、自己負担が生じた議員は7割の20人に達した。年間20万円を自己負担したケースもあった。
 岩手県内の各市議会の政活費は表の通り。奥州市と同規模の人口10万前後の市と比較した場合、北上と花巻が月2万円、一関が月1万5000円で、奥州を上回る。奥州市では奥州万年の森(前沢区)大規模太陽光発電施設建設を巡る問題など課題は多く、ある市議は「熱心に活動すればするほど持ち出しが増える」と明かす。
 増額を協議する議会改革検討委員会は、政活費の事前支給から事後支給への変更を目指す。ホームページで使途など公開する透明化の議論も進める。
 佐藤邦夫委員長は「立法機能を最大限発揮するには、高い情報収集能力が求められる。市民の意見を聞き、先進事例を学び、課題を解決するために増額は必要だ」と主張する。
 市民の賛否は割れる。2月7、9日にあった議会主催の懇談会で、市民からは「一生懸命活動して市の課題を追及して」「政活費の在り方が問題視されている。現在の額で頑張ってほしい」などの意見があった。
 議会の増額要望に、小沢昌記市長は「新年度は議会向けにコミュニティーFMを使った広報活動、ペーパーレス化を進めるタブレット導入の予算を計上した。頭から反対しない。市民の理解を得てほしい」と再考を求める。議会改革検討委は3日、今後の対応を協議する予定だ。
 地方議会の現状を研究する岩手県立大の斎藤俊明教授(政治学)は「収支報告だけでは活動の実態が分からない。政活費を何に使い、活動の成果が分かる報告書を作るなど、しっかり市民に伝える取り組みを優先すべきだ」と指摘する。

[政務活動費]地方議員の調査研究などのため、議員報酬とは別に支給される。宮城県議会、富山市議会などで不適切な使途が相次いで発覚し「第2の報酬」とも指摘される。奥州市議会は議員1人の支給額を月1万2000円(年14万4000円)から月3万円(年36万円)に増額する方針を打ち出した。


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2017年03月02日木曜日


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