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<卒業式>原発事故で休校 友との絆消えない

卒業証書や花束を掲げる浪江高の卒業生

 東京電力福島第1原発事故の影響で3月末に休校となる福島県双葉郡の県立高5校で1日、休校前最後の卒業式があった。浪江高と同高津島校は合同で式を行った。不便な仮設校舎での3年間を乗り越えた生徒たちは、母校への思いを胸に新たな一歩を踏み出した。
 全町避難が続く浪江町にあった両校は、二本松市と本宮市のプレハブ校舎で授業を続けてきた。本宮市で行われた式には、浪江高の14人と津島校の12人が臨み、同窓生ら約50人が見守る中、別れの言葉を述べた。
 津島校の柴田結美さん(18)は「雨音で授業が中断するような環境でも、行事を重ねるごとに成長できた。絆が消えることはない」と振り返った。浪江高の菊池あすみさん(18)は「学びやは解体されるが、過ごした日々は心に刻み込まれる」と力を込めた。
 併せて休校式も行われた。生徒たちは「古里の復興と学校の再開を願い、堂々たる母校の姿を胸に刻む」と誓い、校歌で式を締めくくった。式後、生徒たちは記念写真を撮るなどして仲間との別れを惜しんだ。
 福島市から駆け付けた津島校OBの三瓶専次さん(68)は「先が見通せない中での休校は本当に寂しい。卒業した若い人に歴史を引き継いでほしい」と話した。
 浪江高の中野清美さん(18)は浪江町出身。4月からは仙台市の専門学校で動物看護を学ぶ。「避難区域で保護されたペットを育てたい」と夢を語った。
 富岡町出身の深谷光紀さん(18)は「災害時に市民を守れる自衛官を目指す」と目標を掲げ、郡山市の仮設住宅から津島校に通った川内村出身の大山美奈子さん(18)は「震災を忘れないよう、自分たちの経験を伝え続けたい」と決意を新たにした。
 県内では両校のほか、双葉、双葉翔陽、富岡の3高校も3月末で休校となる。


2017年03月02日木曜日


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