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<震災6年>職員不足 被災3県で慢性化

 東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県で、復旧復興事業に当たる職員不足が慢性化している。2017年度の当初段階で、必要数に対する不足は3県合わせ250人を超える見通し。熊本地震の影響で派遣継続に難色を示す自治体も出ており、被災市町村は人繰りに苦慮している。

<土木職 確保難しく>
 過去3年間の職員確保の状況はグラフの通り。充足率は78.6〜93.2%で推移。特に土木職の確保が難しく16年度当初時点で宮城98人、岩手18人、福島11人が足りないなど、復興事業の発注業務に支障が出ている。
 17年度当初段階も状況は変わっていない。宮城では全体の必要数1418人に対し、158人が不足。全国の自治体から派遣される応援職員は前年度比で35人減る見通しで、県市町村課は「熊本地震の影響で西日本を中心に派遣を打ち切る動きがある」と懸念する。
 岩手の新年度必要数は32人減の702人。全国の自治体に派遣要請を重ねており、県市町村課は「充足させるには、本年度分と同人数を維持する必要がある」との見通しを示す。
 宮城、岩手両県は復旧事業が落ち着き、必要とする職員数は減少傾向だが、復興の進捗(しんちょく)によって自治体間の格差が広がっている。
 25人が不足する釜石市は「土地区画整理事業が進み、自宅を再建する被災者が増えている。税務処理を担当する職員の人手が足りない」と業務遂行が困難な現状を説明する。

<「役場機能 二重に」>
 福島は新年度、224人増の651人が必要になり、現状では106人が不足する。東京電力福島第1原発事故の避難指示解除に伴い、被災者の生活再建やライフラインの復旧業務が増えるためで、県市町村行政課は「今後、解除するエリアが増えるほど必要な人員は膨らむ」と見込む。
 3月31日に避難指示が解除される浪江町は、86人多い125人の派遣を県に要請した。担当者は「解除しても住民は一部しか戻らず、役場機能を本庁舎と避難先の二重に置く必要がある。退職などで経験豊富な職員が減り、実務的に支障を来している」と明かす。
 3県は全国の自治体への要請活動や被災地ツアーを実施するなどし、人員確保に努める。派遣を調整する総務省の担当者は「自治体はどこも職員数を削減してきた経緯があり、人繰りは厳しい。被災地の復興状況を丁寧に説明し、支援継続を促したい」と話す。


2017年03月02日木曜日


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