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DNA解析チップ「福島から世界へ」

新工場で研究・生産を手掛ける解析チップのサンプル。シートを貼り合わせて製造する

 ゴム製品製造の朝日ラバー(さいたま市)の新工場が福島県白河市に完成した。DNAなどを短時間で解析できるゴム製チップの研究・生産拠点で、医療関連産業の集積を進める福島県の補助金を活用した。近く一部稼働する予定だ。
 新工場は既存の白河工場の隣接地に完成。鉄骨平屋、床面積約4000平方メートルでクリーンルームなどを備える。従業員は11人でスタート。福島県内4カ所目の生産拠点で、総工費約8億6000万円のうち3分の2に県の補助金を充てた。
 手掛けるチップは縦約10センチ、横約20センチのシート状ゴムを貼り合わせるなどして製造する。流路に血液などの体液を流すとDNAが自動的に抽出・分類され、DNAが一致するかどうか解析できる。
 解析時間は30分〜1時間程度。複数の検査装置を使う従来の方法は1、2日を要した。軽量で持ち運びが簡単な上、材料費が安い利点もある。
 災害時の身元判定のほか、感染症のパンデミック(世界的大流行)対策に向けたウイルス解析への応用なども期待される。現在は県内外の検査機関など数カ所と共同開発を進めており、新工場整備で将来的な本格生産に対応できるようにする。
 朝日ラバーは自動車のライト用カバーなどのゴム製品を中心に製造している。約20年前に点滴用バッグや注射器のゴム栓といった医療分野に参入、7年ほど前にチップ開発に着手した。
 2月25日に現地であった新工場の竣工(しゅんこう)式後、渡辺陽一郎社長は「人々の役に立つ新技術を福島から育て、支援者や地域の期待に応えたい」と力を込めた。


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2017年03月03日金曜日


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