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<国交省天下り>受け入れ企業の落札確率上昇

 国土交通省が2001〜05年に発注した公共事業の競争入札で、同省から天下りを受け入れた企業の落札確率(入札件数に占める当該企業の落札件数の割合)が上昇していたとの研究結果を、近畿大の中林純准教授(産業組織学)らのグループがまとめた。
 天下りを巡っては、1月に発覚した文部科学省の組織的な再就職あっせんに批判が高まっている。研究グループは「天下りの有無が入札に有利に働いているとすれば、市場経済の健全性は保てない」と指摘している。
 01〜05年に国交省を退職した計286人が再就職した全国の建設関係企業計246社をサンプルとして調査した。大手ゼネコンのほか、青森、宮城、秋田、山形各県の企業も含まれる。
 この期間に同省が発注した公共事業約3万3400件の一般競争入札と指名競争入札の落札結果を分析したところ、天下りの受け入れ企業は直後から落札確率の上昇がみられた。
 246社の天下り受け入れ前の平均落札確率は10.8%だった。受け入れ後の落札確率は再就職者1人当たり0.7ポイント上昇。平均落札確率は1人受け入れた場合は11.5%、2人受け入れた場合は12.2%に上がった。
 受け入れ退職者は事務系と積算や設計ができる技術系に分かれていたが、上昇率に差はなかった。研究グループは「発注側が入札時、特定の受注実績といった受け入れ企業に有利に働く応札条件を設けた可能性がある」と分析している。
 07年に改正された国家公務員法は、在職中の職員が企業や団体に他の職員の情報を提供する口利きや、利害関係企業への求職活動を禁じている。06年の旧防衛施設庁による官製談合事件では、天下りの受け入れ実績に応じて、ゼネコンなどに工事を受注させていたことが発覚している。
 中林准教授は「官僚の再就職に関する情報公開を徹底し、透明性を確保することが必要だ」と提言する。


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2017年03月03日金曜日


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