宮城のニュース

<震災6年>仙女、今年も節目の日リングで

震災6年の11日に行う興行を前に仙女の道場で練習に汗を流す里村(右から2人目)ら=仙台市若林区

 東日本大震災から6年の節目をリングで迎える。仙台市に拠点を置く女子プロレス団体「センダイガールズプロレスリング(仙女)」は11日、東京のイベントホール「新宿FACE」で興行する。タイトルは「あの日を忘れない」。震災の日に合わせた東京での開催は2015年から3年連続となる。

 代表で看板選手の里村明衣子(37)は「震災の記憶を東京の方に伝え続け、選手たちが苦しみを乗り越えて歩みを進めていることを感じてほしい」と思いを語る。
 仙女は06年7月の旗揚げ。里村は所属していた東京の人気団体の消滅により、東北に新天地を求めた。若手を鍛え、地域密着型の運営とレベルの高い試合で人気を集めたが、震災で一転、窮地に陥った。
 地震で事務所が全壊。予定していた興行は全て中止となり、資金繰りに苦しんだ。里村を含めて当時7人いた選手は震災直後に4人に減った。誰もが解散を覚悟する中、里村だけは諦めなかった。
 「地域の方々に応援してもらったのに、何も残せないまま終わってしまう。絶対はい上がる」。強い決意に他の選手も呼応した。旗揚げから所属するDASH・チサコ(28)は仙台市出身。「震災という一番大変な時に頑張る人たちが周囲にいた。自分が逃げたくなかった」と振り返る。
 宮城県内の被災地で慰問プロレスを続け、震災から4カ月後に活動を再開。被災者が観戦して笑顔になる姿に里村は「体が元気な自分が立ち止まっていられない」と背中を押された。全国興行と並行して、草の根活動として地域のイベントでの試合や学校訪問なども積極的に行う。
 団体の陣容も再び固まってきた。現在の所属選手は5人。中でも15年にデビューした橋本千紘(24)は名門の日大レスリング部出身で、12年世界学生選手権67キロ級で3位の実績を持つ。新人ながらタイトル戦線に絡み、16年度のプロレス大賞新人賞に輝いた。橋本は「もっと活躍して仙台の元気を発信したい」と意気込む。
 11日は犠牲者を悼んで黙とうし、売り上げの一部を宮城県に寄付する。12日は定期的に使用する仙台市宮城野区文化センターで試合を行う。「節目を越え、新たな気持ちで頑張る思いを込めて戦いたい」と里村。リングから観客に元気を届けるプロレスの力を信じ、復興への歩みを続ける。(原口靖志)


関連ページ: 宮城 スポーツ

2017年03月04日土曜日


先頭に戻る