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<里浜写景>再生進むヨシ原 表情も豊か

夕日に照らされ、赤みを帯びる北上川下流域のヨシ原
北上川下流域のヨシ原

 冷たい風が吹き抜けると、さざ波のような優しい音を奏でる。雲間から差し込む陽光で、その趣は変わる。ヨシ原は、実に表情が豊かだ。
 石巻市の北上川下流域は十数キロにわたり、ヨシが広がる。淡水と海水が混じり合う汽水域。水辺は多くの野鳥や水生生物を育み、水質浄化にも役立ってきた。
 国内有数の群生地は、東日本大震災の津波と地盤沈下で面積がほぼ半分に減った。それから6年。自ら回復しようとする自然の生命力と、植え替えなどの手入れで徐々に再生しつつある。
 ヨシはかやぶき屋根などに使われる。北上川で採れた素材は、しなやかで丈夫だという。「塩分のあんばいがいいんだよ」。高さ3メートルほどに育ったヨシを、職人が手際良く刈り取り、束ねる。
 夕暮れ。一面が深い赤銅色に染まっていく。また違う顔を見せた。(文と写真 写真部・長南康一)

[メモ]ヨシ原は毎年、刈り込むことによって維持される。作業は1月半ばから3月末まで続く。4月には芽吹きを促す野焼きが行われる。北上川のヨシ原は1996年、環境省の「日本の音風景100選」に選ばれた。


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2017年03月05日日曜日


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