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<あなたに伝えたい>仲間と支え合って前へ

(左から)真弓さん、和子さん、聖さん、龍さん、由夫さん
再建した自宅でトワと触れ合う由夫さん。家族やボランティアの写真を大切に飾っている=東松島市

 川上和子さん=当時(66)=、大内真弓さん=同(43)=、龍さん=同(14)=、聖(たから)さん=同(13)=は、和子さんと夫由夫さん(78)、雄のビーグル犬トワは海に近い東松島市大曲浜で暮らしていた。長女の真弓さんと孫の龍さん、聖さんは東日本大震災発生後、市の内陸部から車で大曲浜へ。車で避難中に津波に襲われ、九死に一生を得た由夫さんとトワ以外の4人が犠牲になった。

◎七回忌に寄せて(6)人が良かった妻、優しかった娘、孫/川上由夫さん(東松島市)から和子さん、大内真弓さん、龍さん、聖さんへ

 由夫さん 3月11日を忘れて復興はあり得ません。東松島市の防災集団移転団地のあおい地区に建てた家でトワと生活し、親子のように布団で寝ています。見守ってくれてありがとう、と家族の仏壇に手を合わせ、週1回は市内の清泰寺にある墓へ行きます。
 夢中だった震災直後より、冷静な今の方が悲しい。もっと優しくしておけばよかったと悔やみ、「助けて!」と津波に流されていく龍の姿が目に浮かびます。

 あの日は地震発生後、私たちのことを心配した真弓が、中学生の龍と聖を車に乗せて迎えに来ました。女房は私に「トワを乗せて行きなさい」と言いました。これが別れの言葉です。
 私の車は前が水に沈む形で浮かび、約1キロ内陸まで流されました。車内でトワを抱っこしながら一晩過ごしました。トワは命を救ってくれた大切な存在です。
 家族4人が犠牲となり、私は「死にたい」と思いました。清泰寺を訪ね、住職夫婦に気持ちを伝えたら「亡くなった人を供養するのが生き残ったあなたの役目だよ」と諭されました。

 女房は人が良かった。20代で結婚し2人の娘を授かりました。一緒に鳴子や秋田の温泉へ行きましたね。真弓は気持ちが優しかった。龍はテニス部で頑張って面倒見が良く、聖は目立ちたがり屋で明るかった。
 仮設住宅でふさぎ込んでいた頃から、ボランティアの皆さんに支えられています。私のことを「お父さん」と呼び、毎日のようにメールをくれる人もいます。生きる力を与えてくれたことに感謝し、家に無料で泊まってもらっています。
 家族4人を失った大曲浜出身の歌手らと共にコンサートを開き、あおい地区では「ペットクラブ」などで仲間とつながっています。みんなで支え合いながら前へ進んでいきたいです。


2017年03月06日月曜日


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