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<原発避難>富岡町本庁舎 業務を再開

6日に業務を再開する福島県富岡町役場の本庁舎

 東京電力福島第1原発事故の避難指示が4月に一部区域を除いて解除される福島県富岡町は6日、本庁舎の業務を再開。東日本大震災が発生した6年前の3月11日、本庁舎の非常用電源は起動せず、原発の状況把握は混乱を極めた。ひびが入るなどした庁舎はその後に改修され、防災機能を回復。職員たちはほぼ6年ぶりとなる本来の職場で、体験を糧に住民の帰還に備える。
 「小型発電機につないだ電気スタンドの明かり一つだけが頼りでした」
 業務再開準備のため4日に庁舎を訪れた企画課課長補佐の原田徳仁さん(46)は、第1、第2両原発を所管する生活環境課内を見渡した。震災直後、暗闇の中、庁舎内で緊急電話を取り続けた職員の一人だ。
 地震で停電した後、非常用発電機は故障で稼働できなかった。災害対策本部は急きょ庁舎から200メートル離れた建物に置かれ、町長や幹部職員が移動した。
 議会事務局員だった原田さんは庁舎に残り、生活環境課職員らと共に原発と町を結ぶ緊急用ホットライン電話を取り、メモを取った。非効率だったが、対策本部に交代で走って伝達するしかなかった。
 小型発電機を窓の外に置き、電気スタンドや無線機の電源を確保するのがやっと。暗闇の中、送られてくる大量のファクスに足の踏み場がなかった。「庁舎は真っ暗。ファクスのインクも薄くなる。何の情報か訳が分からなかった」。
 庁舎の改修工事は今年2月に完了した。原発の状況把握に手こずった要因の一つとなった非常用発電機はオーバーホールして修理し、災害時には生活環境課など主要部門に優先的に電気を供給する仕組みに改善した。
 4月1日には住民の帰還が始まる。6年前の手痛い経験を踏まえ、町総務課は「住民の帰還に向け、防災拠点として万全の態勢を整えたい」と話す。


2017年03月06日月曜日


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