宮城のニュース

<ILC>スロベニア企業 宮城進出

コージーラボは世界各地の加速器プロジェクトで制御システムを手掛けている(同社ホームページから)
ILCなど加速器プロジェクトに向けて、宮城進出の意義を説明する黒川CEO

 超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」など、東北各地で進む加速器プロジェクトの実現をにらみ、大型物理実験施設向けの制御システムを手掛けるスロベニアの「コージーラボ」日本法人が2月、多賀城市のみやぎ復興パークに茨城県から移転入居した。各プロジェクトの情報収集をしながら、東北大や地元企業との連携を進める。
 大型加速器施設は、数百万点の機器を統一的にコントロールする高度な制御技術が必要となる。コージーラボは2001年、スロベニアの大学発ベンチャーとして設立。スイスの欧州合同原子核研究所(CERN)、日本の高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)など世界各地の加速器プロジェクトにシステムを提供してきた。
 移転の決め手は、東北で機運が高まる加速器計画。ILCは岩手、宮城両県にまたがる北上山地が候補地で、30年ごろの完成を目指す。東北放射光施設は実現に向けた産学の動きが本格化。青森県六ケ所村には国際熱核融合実験炉(ITER)材料照射施設の計画が進む。
 アジア担当副社長で日本法人CEOの黒川真一氏(70)=KEK名誉教授=は「ILCは世界の物理学に必要なプロジェクトであり、日本の責任は大きい。東北放射光施設も実現の見込みが高い」と語る。国内外の加速器計画に関わり、05〜07年に国際組織のILC運営委員会委員長を務めた経歴を持つ。
 黒川氏は昨年春からコージーラボのマーク・プレスコ社長と何度も宮城県を訪れ、交通アクセスの良さや東北経済連合会のバックアップもあり、茨城県東海村から2月2日付で移転登記した。5人程度のスタッフが常駐する。
 黒川氏は「大型施設の『神経』を制御する高度な技術で、ILCでも役割を果たせる。地元企業とは周辺機器との接続部分の標準化などで連携できる」と話す。将来は東北大など地元の人材を集めたい考えだ。


2017年03月08日水曜日


先頭に戻る