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<タリウム事件>元名大生 殺人欲求に苦悩も

 名古屋市で知人の高齢女性を殺害し、仙台市で同級生2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた元名古屋大女子学生(21)=仙台市出身、事件当時未成年=の裁判員裁判第20回公判が7日、名古屋地裁であり、元名大生は「このような事件を二度と起こしたくない。人を殺さず、傷つけない自分になりたい」と供述した。
 この日は最後の被告人質問で、量刑を判断する上で酌むべき事情があるかどうかの判断材料となる。
 元名大生は遺族や被害者の言葉を法廷で聞いた感想を「つらかった。自分の感覚と全く異なり、あぜんとした」と振り返った。遺族の怒りは、生活上の不便さから生じると考えていたが「喪失そのものが怒りや悲しみにつながっていると知り、驚いた」と語った。
 謝罪の意思は「どの被害者に対してもある」と説明する一方、「謝罪や反省の方法がまだ分からない」と告白。事件を「後悔している」との認識も示した。
 元名大生は昨夏の精神鑑定中、殺人願望を抑えるために(1)カエルなどの脊椎動物を不必要に殺さない(2)武器や毒劇物の収集を禁ずる(3)過去の犯罪を調べたり残虐な映画を鑑賞したりしない−などを入院先の心理士と約束したという。
 元名大生は「約束は守りたい」と強調する一方、「人を殺したい気持ちが湧き上がり、コントロールできず困っている」とも述べた。タリウム事件を審理した2月3日の公判を回想し、「誰でもいいから殺したいと思った」と法廷でも殺人の衝動に駆られたことを明らかにした。殺人欲求は今も週1、2回生じているという。
 質問は仮に実刑判決が確定し、将来、社会復帰した後の生活にも及んだ。元名大生は押収された薬品を手放す方針を改めて示しつつ、「いつ人に飲ませたい気持ちが湧き出るか分からず、薬品を人に投与する可能性はゼロではない」と供述した。
 公判は10日に論告求刑と最終弁論があり、結審する。


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2017年03月08日水曜日


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