岩手のニュース

<震災6年>月命日ライブ ラストステージへ

自宅で「忘れずにいて〜3.11〜」を練習する光さん

 東日本大震災の月命日に、盛岡市の商業施設で女性シンガー・ソングライターが開催してきた復興祈念ライブが震災から6年となる11日、最終回を迎える。震災で実家が全壊した岩手県山田町出身の光(ひかる)さん(46)=盛岡市=が、2013年8月から単独で計43回開いてきた。光さんは「内陸の人に被災地を身近に感じ続けてもらえるよう、心を込めて歌う」と最後のステージに臨む。
 光さんは市内でパートとして働き、2人の娘を育てる傍ら、15年ほど前に独学でアコースティックギターを始めた。08年に人前で演奏するようになり、県内の音楽イベントなどで自作の曲を披露してきた。
 震災の津波と火災で、19歳まで暮らした山田町の風景は「現実と思えない」姿に変わってしまった。かつて光さんが「ミス山田ビーチ」に選ばれてPRした美しい海が、多くの命を奪った。実家に住んでいた両親と兄は町内のみなし仮設住宅で暮らす。
 帰省の度に、復興を巡って沿岸被災地と内陸の間に温度差を感じた。「まだまだ窮地に立たされている沿岸の実情を内陸に伝えたい」との思いから、盛岡市のクロステラス盛岡1階の特設ステージで澄んだ歌声を響かせてきた。
 ライブでは生活再建に苦悩する母へのメッセージを込めた「強がらないで」、山田町の豊かな自然への愛着を込めたアップテンポの「私の愛する、この町。」といったオリジナル約70曲を披露してきた。
 演奏中はスクリーンに、光さんが動画で撮りためた山田町の復興の様子を上映する。かさ上げが進む中心部、防潮堤工事で風景が変わる海辺、仮設住宅での高齢者の暮らしなどを紹介し、被災地の現状を目と耳で感じてもらう。
 最後のライブのために「忘れずにいて〜3.11〜」という曲を用意した。光さんは「ライブは震災から6年で区切りをつけるが、毎月11日が被災者にとってつらい日であり続けることを忘れないでほしい。曲を聴いた人が被災地のために何かしたいと思ってくれたらうれしい」と願う。11日のライブは午後3時開始。入場無料。


2017年03月08日水曜日


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