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<震災6年>岩手知事「寄り添う支援が必要」

「復興後を見据えた地域振興に力を入れる」と語る達増知事

 東日本大震災の発生から間もなく6年を迎える。人口減少や地域コミュニティーの崩壊、東京電力福島第1原発事故による復興の遅れや風評被害など、沿岸被災地が抱える課題は今なお多い。岩手県の達増拓也知事に復興の現状や今後の街づくりの在り方を聞いた。

◎岩手 達増拓也氏

 −震災から6年がたつ。復興の現状をどうみるか。
 「災害公営住宅は本年度末で約8割が完成する見込みだ。被災した病院や学校の再建や商店街の本格再建も進んだ。仮設住宅生活が続く被災者は1万3000人以上いる。体や心のケア、コミュニティー形成支援など一人一人に寄り添った伴走型支援が必要だ」
 「昨年8月の台風10号豪雨で、震災で被災したサケのふ化場や防潮堤などが再び被災し、復旧が遅れている。水産加工や観光業では人手不足がネック。水産物の販路喪失は深刻で、回復が難しい。サケやイカ、サンマの不漁も復興に悪影響を及ぼしている」

 −復興事業の減少を見据えた産業振興策は。
 「今は建設業に人手が集中しており、徐々に食産業や観光業へ誘導することが必要。経済構造をどう平準化するかが課題になる」
 「2018年6月に宮古−室蘭間のカーフェリーが就航し、19年には釜石市がラグビーワールドカップの開催地の一つになる。地域振興の好材料はある。交流人口の拡大を産業活性化に生かしたい」

 −沿岸から内陸に避難した被災者向けの災害公営住宅整備が本格化する。
 「盛岡市など一部では入居募集を始めた。他地域でも新年度の早い時期に開始する。住宅再建の方法を決めかねている人もいる。取り残される人がいないよう支援を続ける」

 −これまでの国の対応へ評価と今後の期待は。
 「閣僚が頻繁に被災地に入り、地元と国でハイレベルの意見交換をする機会が多い。現場を見ながら密接なやりとりができることは評価したい」
 「人手や予算の確保は期間を区切らず、実態に合わせてその都度確保するようにしてほしい。普段から大規模災害に備え、国民と情報を共有するような組織はあった方がいい」

 −三陸沿岸道路を地域振興にどう生かすか。
 「物流の活性化や港湾の利用促進、観光振興など大きな波及効果が期待される。市町村や関係者と共に道路を生かした新しい三陸のビジョンを描きたい」


2017年03月09日木曜日


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