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<震災6年>福島知事「帰還に向け環境整備」

「被災者の生活再建、帰還に向けた生活環境整備など課題は山積している」と語る内堀知事

 東日本大震災の発生から間もなく6年を迎える。人口減少や地域コミュニティーの崩壊、東京電力福島第1原発事故による復興の遅れや風評被害など、沿岸被災地が抱える課題は今なお多い。福島県の内堀雅雄知事に復興の現状や今後の街づくりの在り方を聞いた。

◎福島 内堀雅雄氏

 −復興の現状をどうみるか。
 「JR常磐線の小高駅(南相馬市)以北が運行を再開するなど交通インフラの再生が進み、高度な治療を提供するふくしま国際医療科学センター(福島市)といった拠点施設の整備も着実に進展した。4月までに飯舘村、川俣町山木屋地区、浪江町、富岡町の避難指示解除も見込まれる」
 「今なお8万人近い県民が避難生活を送っている。第1原発の廃炉・汚染水対策、被災者の生活再建、帰還に向けた生活環境整備、産業再生、『風評と風化』という二つの逆風など、課題は山積している」

 −学校の再開を含め、避難指示解除後の自治体再生をどう後押しする。
 「市町村の意向を最大限に尊重し、2015年度に策定した避難地域12市町村の将来像の具現化に取り組む。帰還を決断できない方々が抱く生活環境などへの不安を払拭(ふつしょく)したい」
 「学校再開に関しては、県教委に昨年、支援チームを設置した。古里に根差し、特色ある学校になるよう国と連携して支援する。例えば、お笑い芸人の力を借りた飯舘村のユニークな教育は、県と吉本興業の包括連携がきっかけだ。魅力ある教育を実感してもらうようにしたい」

 −原発事故で避難した児童、生徒に対するいじめが相次いで表面化している。
 「福島の現状が正しく伝わっていないことや、放射線に対する正しい理解がないため偏見や差別が生じ、深刻ないじめに発展している。専用の相談ダイヤルによる受け付けなど、異変があれば早い段階で対応できるよう気を配っている」

 −東京五輪・パラリンピックを巡っては、国が対外的に復興を発信するため福島県を利用している印象も受ける。
 「五輪が開催される20年は原発事故から10年目の節目。復興の成果と課題の両方を世界に発信する。事前合宿の誘致や野球・ソフトボール競技の県内開催など五輪との関わりをつくりながら、県民が復興を実感し未来への希望を持てる機会とすることが大事だ」


2017年03月09日木曜日


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