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<原発避難>集団訴訟の原告1万1400人超に

 東京電力福島第1原発事故の避難者が国と東電に慰謝料など損害賠償を求めている集団訴訟は少なくとも全国で27件に上り、原告は合わせて1万1400人を超えることが8日、各原告団などへの取材で分かった。事故から6年を迎えようとしてもなお、新たに訴訟に加わる避難者もいて、原告はさらに増える見通しだ。
 集団訴訟では全国初となる判決が17日、前橋地裁で言い渡される。東電の責任がどこまで追及されるのか、全国の避難者らが注視している。
 避難者らの集団訴訟は表の通り。少なくとも全国18カ所の地裁で争われている。うち福島地裁は支部を含めて8件で、原告は7800人を超える。東京地裁は3件。原告数は主要な避難先となった新潟、山形の両地裁の訴訟が福島に続いて多い。
 審理は長期化している。結審を迎えたのは前橋地裁(昨年10月31日)と千葉地裁(今年1月31日)の2件で、今月21日には福島地裁の1件が結審する見通しだ。
 訴訟はいずれも東電と国に対し、原発事故を招いた過失責任を問うとともに、避難や古里を奪われたことに対する精神的慰謝料を請求している。
 最多の3865人が訴えている福島地裁の訴訟で、原告側は「事故前の放射線量に戻せ」と主張。月額5万円の慰謝料と併せ、地域の原状回復を求めている。
 避難区域以外の福島市や郡山市などから自主避難した原告も多い。前橋地裁の訴訟は原告137人のうち61人が自主避難者で、低線量被ばくへの不安を訴え、避難の必要性や妥当性を主張している。
 一部の訴訟では現地検証が実施され、裁判官らが放射線量が高い帰還困難区域など福島県内の荒れた住宅地や農地などの状況を確認している。
 原発事故全国弁護団連絡会(東京)代表世話人の米倉勉弁護士は「(前橋地裁などで)原告にとって前向きな判決が出れば、訴訟に加わる人がさらに増える可能性がある」と指摘。「原告の主張が認められる裁判を積み重ね、原発事故被災者全体の賠償の在り方を見直すことにつなげたい」と話す。
 福島県によると、原発事故の避難者は約7万9000人で、避難先は県内、県外ともに約3万9000人余りとなっている。


2017年03月09日木曜日


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