宮城のニュース

<震災6年>津波の怖さ伝える童歌に込める

完成した「くろいうみ」を弾き語りする阿部さん=柴田町の音楽教室

 宮城県柴田町で音楽教室を主宰する阿部弘子さん(59)が、東日本大震災を題材にした童歌「くろいうみ」を完成させた。シンプルなメロディーの童歌は、津波の怖さ、被災者の切なさを後世に伝えようとの思いが込められた。11日に町内で開かれる演奏会で披露する。
 「うみ うみ くろいうみ あのひのうみはなにしたの」で始まる歌詞。簡潔な言葉で、津波の怖さと逃げることの重要性、亡き大切な人を思う被災者の心情がつづられている。

うみ うみ くろいうみ
あのひのうみは なにしたの
みんなみんな つれてった(×2)
かわいいあのこは どこにいる
おとうやおかあは どこにいる

にげて にげろ(×4)
くろいうみから にげろや

うみ うみ あおいうみ
そっちでみんなで なにしてる
こっちはなんとか いきてるよ
さびしいけれども いきてくよ

 阿部さんが童歌を作ったのは、生涯学習支援のNPO活動を通じて石巻市のコメ専業農家太田俊治さん(60)と知り合ったのがきっかけ。太田さんに「子どもが口ずさめて、震災の教訓を代々伝えられる歌があればいい」と提案され、制作を思い立った。
 歌作りのために阿部さんが石巻市の被災者たちに今の心境を聞くと、「震災から6年近くたっても、生きるだけで精いっぱい」という答えが返ってきた。まだまだ前向きになれない人が多いことを知り、そうした思いを歌に反映させた。
 完成した「くろいうみ」を聴いた太田さんは「何度も聞くうちに心に染み、口ずさめるようになった」と出来栄えに満足する。阿部さんは「童歌は少ない音階で構成され、歌いやすい。歌が東北全体に広がり、ずっと先まで残ってくれればうれしい」と期待する。
 「くろいうみ」は、11日午後1時開会の、上川名地区の竹林で行われる「竹林の音楽会」(町上川名地区活性化推進組合主催)で発表される。阿部さんがピアノを弾き、阿部さんの音楽教室に通う小学5年の女子児童が歌う。
 連絡先は阿部さん090(1497)8409。


2017年03月10日金曜日


先頭に戻る