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<原発事故6年>廃炉の難題 目の当たり

建屋カバーが外された1号機(左)と使用済み燃料取り出し用の作業台の設置が進む2号機

 東京電力福島第1原発事故から6年を前に、原発構内に入った。炉心溶融(メルトダウン)した1〜3号機の建屋では、使用済み核燃料の搬出に向けた準備が進む。ただ、最難関となる溶融燃料(燃料デブリ)の取り出しを巡っては、炉心直下の映像をようやく捉えることができたばかり。廃炉に至る道のりの長さと険しさを改めて感じた。

<鉄骨むき出し>
 原子炉建屋を望む高台に立つ。装備はヘルメットに紙マスクだけ。構内の空間放射線量が低減し、防護服は不要になった。
 建屋を覆ったカバーが外され、ゆがんだ鉄骨がむき出しになった1号機。がれき撤去に向け、大型クレーンでつり下げた調査用のカメラがゆっくり動く。
 水素爆発しなかった2号機には「清水の舞台」のような構造物がある。壁に穴を開け、使用済み燃料を取り出して装置を搬入するためだ。
 2号機の格納容器には1〜2月、カメラやロボットが相次ぎ投入された。事前調査と位置付けられたカメラ挿入で炉心直下の映像を撮影できた。だが、本格調査を担う予定だったサソリ型ロボは、炉心直下にたどり着く前に立ち往生。溶融燃料の位置や量は把握できなかった。
 建屋内は人が容易に近づけない高線量だ。廃炉作業の核心に迫るにつれ、想定外の事態が今後も起こりうることを予感させる。

<「梅雨前には」>
 建屋周辺を歩く。ここでは、防護服と半面マスクの着用が必要。防水のためモルタルが塗られ、灰色に染まった斜面に作業員が見えた。亀裂から雨水が染み込んで汚染水が増えることがないよう、確認作業をしているという。
 汚染水対策では昨年3月、凍土遮水壁の運用が始まった。建屋に流れ込む地下水を減らすための切り札とされている。
 凍結のための配管には霜が付いている。ただ全面凍結には至っていない。「梅雨前には
凍結が完了できればいいのだが…」。同行した東電の担当者が話した。

<並んだタンク>
 汚染水をためる巨大なタンクが立ち並ぶエリアに回る。漏えいトラブルが絶えなかった組み立て型を解体し、漏れにくい溶接型を建設する作業が今も続く。
 汚染水の発生量は減少傾向にあるものの、多核種除去装置(ALPS)などで浄化してもトリチウムは取り除けない。トリチウム水の処理方法は決まっておらず、現状ではタンクを造り続けるしかない。
 事故発生から6年。明確になってきているのは、課題と解決の難しさだ。(福島総局・大友庸一、写真部・伊深剛)


2017年03月10日金曜日


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