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<福島第1>溶融燃料 ロボ投入成果出せず

 東京電力福島第1原発事故から6年。第1原発の廃炉作業では溶融燃料(燃料デブリ)の取り出しに向けた内部調査が始まった。最大で11市町村に出されていた福島県内の避難指示は今年4月までに、大熊、双葉両町と帰還困難区域を残して解除される。除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設の整備などを含め、前例のない原子力災害からの地域再生は途に就いたばかりだ。

 溶け落ちた核燃料が原子炉のどこにあるのか。東京電力福島第1原発1〜3号機の溶融燃料(燃料デブリ)の実態は、事故6年目を迎えても明確になっていない。今年2月、2号機格納容器に投入されたサソリ型ロボットは目標だった炉心直下にたどり着けず、十分な成果を出せなかった。圧力容器を突き抜けた溶融燃料の取り出しは世界でも前例がなく、2021年の取り出し開始の実現は見通せないのが実情だ。
 コンピューターによる解析や物質を透過する宇宙線「ミュー粒子」を使った調査で、1、3号機は核燃料の多くが格納容器底部に溶け落ち、2号機は大半が圧力容器の底にとどまっているとみられている。
 2号機へのロボット投入に先立ち、東電は1月下旬、カメラ付きパイプを差し入れて内部調査を実施。炉心直下の作業用足場に溶融燃料の可能性がある堆積物が広範囲にこびりつき、燃料の熱で足場の一部が脱落している状況が判明した。毎時650シーベルトの高い推定線量も観測された。
 2月に投入されたロボットは圧力容器直下に延びるレール上で、堆積物の破片が走行用ベルトに挟まるトラブルが発生。炉心直下に到達できず、溶融燃料の位置や量に関する具体的な情報は得られなかった。
 今後のロボット調査は、1号機で今月、格納容器の滞留水内に線量計付きのカメラを入れる。3号機は「水中遊泳型」を開発中で、今夏までの投入を計画する。
 東電と国は21年にいずれかの号機での溶融燃料取り出し開始を目指している。今年夏ごろに号機ごとの大まかな取り出し方針を決める。
 格納容器の上部から取り出す「冠水方法」や水を張らず側面から取り出す「気中工法」などが想定されている。現時点で溶融燃料の分布状況が分かっていないことから、複数の工法を組み合わせる可能性がある。
 国や東電に対して技術的に助言する原子力損害賠償・廃炉等支援機構技術グループの福田俊彦執行役員は「幅広く情報を集め、情報の確度に応じて工法を絞り込んでいく」と話す。


2017年03月10日金曜日


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