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<福島第1>汚染水 発生量は減少処分が課題

霜が張り付いた凍土遮水壁の配管。建屋に流れ込む地下水の抑制効果は明確には示されていない

 東京電力福島第1原発で発生する放射能汚染水をいかに減らすのか。廃炉の障害となる汚染水対策は進展したが、浄化処理後も残るトリチウムを含んだ水をタンクにため続ける状況は依然として続く。
 原子炉建屋に流れ込み高濃度汚染水の原因となる地下水を減らす凍土遮水壁は、2016年3月末に稼働した。建設には350億円の国費が投じられた。
 当初は地下水が流れ込む山側から凍らせる方針だったが、建屋周囲の水位が下がり滞留水が漏れ出す恐れを原子力規制委員会が指摘。海側から徐々に凍結範囲を広げることにした。現在は山側の1カ所を残して全面的に凍らせる準備が進む。
 建屋周囲の井戸から地下水をくみ上げる「サブドレン」の効果と合わせ、1日400トンに上っていた汚染水の発生量は200トン程度に減少。東電は「凍結が完全に進めば、50トンにまで減らせる」と想定する。
 多核種除去装置「ALPS」などで浄化した汚染水は今年2月時点で90万トンを超え、貯蔵タンクは1000基に上る。放射性物質の一種トリチウムだけはALPSでも取り除けないためだ。
 トリチウム水の処分方法を検討してきた政府の委員会は昨年4月、「希釈し海洋放出するのが最も低コスト」との試算をまとめた。国は別の委員会で引き続き議論を進めているが、海洋放出は風評被害を招くとの懸念が強い。処分方法が確定する見通しは今のところ立っていない。


2017年03月10日金曜日


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