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<震災6年>花がれきに笑顔咲く 軌跡一冊に

がれきに花の絵を描く保原高の美術部員たち

 福島県立保原高(伊達市)の美術部が、東日本大震災で被災した校舎のがれきに花の絵を描く「がれきに花を咲かせようプロジェクト」(花がれき)の軌跡をまとめた記録集を制作中だ。震災直後から6年近く続く活動は、仮設住宅の壁画制作などにも及び、被災者を慰めてきた。部員はアートを通じて得た心のつながりをかみしめている。
 花がれきは2011年4月に始まった。同部顧問が、表現活動を通じて生徒に気持ちを落ち着かせてもらうことなどを目的に提案。現部員46人を含む部員と初年度に参加した生徒有志の計146人が、今までに約900点を制作した。
 被災者心情に配慮し、がれき作品そのものではなく作品を撮った写真に「福島が好き」「咲かせよう笑顔」といったメッセージを添えて壁掛けを作り、市内や福島市など県北の仮設住宅の住民にプレゼントした。仮設7カ所の壁画も描いた。
 映画監督の大林宣彦さんが取り組みに共感。部員の姿を撮影し、アイドルグループ「AKB48」の曲「So long!」のミュージックビデオに使用したこともある。
 こうした歩みを、写真やイラストを多用して38ページの記録集にまとめる。「恐怖の対象だったがれきを希望の対象として見られるようになった」「感謝の気持ちと共に元気を発信したい」など部員たちの感想も掲載する。今月中に500部を作成する予定だ。
 部長の2年佐藤里胡さん(17)は中学で美術部に所属し、花がれきに取り組みたいと保原高に進んだ。「仮設住宅に住む人と一緒に絵を描き、人と触れ合う楽しさを学んだ。将来は地域で人とつながる仕事がしたい」と顔をほころばせる。
 顧問の番匠あつみ教諭は「生徒が『自分も被災者の役に立てる』と自信をつけるとともに、地域に目を向ける契機になった。美術が社会に与える力を感じた」と話している。


2017年03月10日金曜日


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