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<タリウム事件>無期懲役求刑「生涯償いを」

 名古屋市で知人の高齢女性を殺害し、仙台市で同級生2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた元名古屋大女子学生(21)=仙台市出身、事件当時未成年=の裁判員裁判の論告求刑公判が10日、名古屋地裁であり、検察側は「更生の可能性は極めて乏しく、生涯にわたる償いが必要だ」として無期懲役を求刑した。弁護側は「心神喪失状態で責任能力はなかった」と改めて無罪を主張し、結審した。判決は24日。
 検察側は「『人の死、人体の変化』に強い興味を抱き続け、関心を満たそうとした。人命軽視の態度は甚だしい」と言及。2年半の間に1人を殺害、5人の殺害を図ったことについて「犯行は時間を追って執拗(しつよう)になり、残虐性を増した。薬品や殺人への興味は今もあり、反省の姿勢は全くない」と論証した。
 検察側は最高裁が1983年に示した死刑適用基準(永山基準)の9項目を全て満たすことを指摘し「死刑が十分考えられる事案」と強調した。一方で劇物混入事件当時、16歳だった年齢と発達障害の影響を考慮し、「死刑求刑までは至らない」と述べた。
 弁護側は発達障害と双極性障害(そううつ病)の重大な影響を主張し、「興味の対象が『人の死』に限られ、そう状態が重なると善悪の判断や行動の制御ができなくなる」と反論。障害の影響を考慮しない起訴自体が違法だとして、訴訟手続きの打ち切りも求めた。
 元名大生は「事の大きさを少しずつ実感している。今でも人を殺したい気持ちが湧き上がり、不安になることがあるが、(殺さない)方法を確立したい。反省や謝罪、償いを一生懸けて考えていく」と最終意見を述べた。過去20回の審理では常に淡々と話していたが、初めて声を震わせた。
 起訴状によると、仙台市内の私立高校に通っていた2012年5〜7月、中学と高校の同級生男女2人に硫酸タリウムを飲ませ、殺害しようとしたとされる。14年12月には名古屋市昭和区の自宅アパートで知人の森外茂子(ともこ)さん=当時(77)=を殺害し、6日後に帰省先の仙台市青葉区で女性方に放火、住民3人を殺害しようとしたとされる。


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2017年03月11日土曜日


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