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<震災6年>もっと ノリ生産へ力結集

古里の海で養殖いかだの手入れをする手代木さん

 乾のりの生産が最盛期を迎えた2月末、未明の宮城県東松島市浜市沖。いてつく寒さの中、漁師が養殖いかだを巻き上げ、ノリを摘み取る。

◎東松島漁業生産組合=宮城県東松島市=

 東日本大震災で被災した浜市の漁師たちは、東松島漁業生産組合をつくって力を結集し、のり生産で活路を開いている。
 組合長の手代木浩二さん(47)が今季手掛けた製品は1月、宮城県産乾のりの品評会で最高賞に選ばれ、皇室献上品となった。組合ができてから3度目。「みんなで頑張ってきた結果」と手代木さんは言う。
 組合は2011年12月、浜市の漁業者5世帯10人で設立した。国などの補助事業で浜市に加工場を整備。特殊な選別機を備え、良質ののりを多い時で1日に20万枚近く生産する。
 浜市では震災前、漁師をなりわいとする人は個別に活動していた。津波で船や道具を失い、命を落とした者もいる。
 のり生産歴約40年で工場責任者の一人、石垣久さん(61)が明かす。「震災で何もかもなくなり、個人で再開するには億単位の金が必要だった。当時は生産をやめようかと考えた」
 震災の影響で、浜市漁港区域内の北上運河には砂や泥が堆積。今も船は接岸できず、加工場には十分な潮水が行き届かない。
 組合のメンバーは沖で船に積んだノリを東松島市宮戸島の漁港へいったん運ぶ。そこから4トントラックで加工場へ。加工場では水に市販の塩を足し、必要な塩分濃度を保っている。
 石垣さんは逆境にも前を見据える。「今でも生きるのに夢中だ。借り入れもある。でも、若い人たちに負けていられない」。組合の今季の生産目標は1500万枚。売り上げは1億5000万円以上を見込む。
 メンバーは犠牲となった浜の人々の無念を背負い、古里の海に生きる。


2017年03月11日土曜日


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