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<里浜写景>新たな船出待つチビッコ丸

月明かりに浮かぶ「チビッコ丸」。船首を海側に向け、出番を待つ
「チビッコ丸」=宮城県名取市閖上

 東日本大震災から6年がたった。復興事業が進む宮城県名取市閖上地区。重機や車両の音がやみ、人けも消えたころ、1隻の小舟が月明かりに浮かんだ。「チビッコ丸」だ。
 かつては閖上小校庭の一角で、築山の上にそびえていた。「休み時間のベルが鳴ると皆、競うように走っていった」。卒業生の一人は懐かしむ。
 津波は人気の漁船遊具まで押し寄せたが、流されることはなかった。その姿は多くの住民が避難した校舎から見え、「心の支えになった」という。
 閖上小は来春、閖上中との小中一貫校に生まれ変わる。チビッコ丸は保存を求める多くの声を受け、新たな学びやの近くにモニュメントとして設置される。
 現在は、日和山から数百メートルほど陸側の仮設グラウンド駐車場に仮置きされている。古里の再生を見守るかのように、次の「船出」を待つ。(文と写真 写真部・長南康一)

[メモ]チビッコ丸は子どもたちに港町の文化を肌で感じてもらおうと、地元の漁師が寄贈した中古の木造船。1969年に高さ約5メートルの築山に設置され、腐食が進むたびに代替わりしてきた。現在の船は長さ10メートル。幅2.3メートル、重さ2.5トン。


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2017年03月12日日曜日


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