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<震災6年>未来の命守る 慰霊碑に誓う

防災センター跡地であった慰霊式。住民らが手を合わせ、犠牲者の冥福を祈った=11日午前9時15分ごろ、釜石市鵜住居

 東日本大震災で避難した少なくとも120人以上の住民が犠牲になった岩手県釜石市鵜住居(うのすまい)地区防災センター跡地で11日、住民主催の慰霊式があった。市幹部や遺族ら約80人が参列し、献花して冥福を祈った。
 センターは市指定の津波避難場所ではなかったが、避難訓練に使われたことで大勢が逃げ込んだ。野田武則市長は「悔しさと無念がこみ上げ、市民の生命を守るという責任の重さを痛感する」と述べた。
 鵜住居地区復興まちづくり協議会の佐々木憲一郎会長代行は「鵜住居の再興が、生かされた人間の務めであり、供養だと一歩一歩進んできた。この出来事を子孫に伝えることが未来の命を守る」と話した。
 長男の妻琴美さん=当時(34)=と孫の涼斗君=当時(6)=が犠牲になった同市の整備士菊池通幸さん(69)は「生きていれば涼斗はこの春で中学生。成長が楽しみだった。6年たっても悔しい。区切りをつけようと思ってもなかなかできない」と涙を流した。
 市が慰霊碑を設けた跡地には遺族が次々と訪れた。仙台市太白区の会社員鬼塚元さん(43)は、父満さん=当時(67)=と母優子さん=当時(68)=、祖母チエさん=当時(92)=を亡くした。
 鬼塚さんは「震災以来、3月11日が一年の終わりと始まりの節目になった。目をつぶると遺体安置所で対面した顔が浮かぶ。いつまでも心の中にいてほしい」と語った。
 跡地は普段、復興工事で入れないが、市が整備予定の「祈りのパーク」の完成が3月に間に合わず、慰霊式のために開放した。


2017年03月12日日曜日


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