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<震災6年>三宅道場 復興の手助けに

練習に励む田村高の選手たち。左は鈴木監督

 福島県郡山市郊外にある「のんびり温泉」に、重量挙げのトップ選手を育てる施設がある。1964年東京、68年メキシコ両五輪の男子フェザー級で金メダルを獲得した三宅義信さん(77)=宮城県村田町出身=の名を冠した「三宅道場」。地元の高校生も利用しており、地域の競技力向上に貢献している。
 三宅道場は同じ福島県の西郷村にあったが、東日本大震災に伴う福島第1原発事故の影響で2011年秋に使えなくなった。運営していたNPO法人「ゴールドメダリストを育てる会」理事長の三宅さんが、理事でもあるのんびり温泉の前山健一社長(76)に道場再開を相談し、14年10月に現在の場所に開設した。
 約200平方メートルの施設はのんびり温泉が提供。20年東京五輪を見据え、多くの人が使えるよう「育てる会」がバーベルや、試技をするプラットホームなどを用意した。一度に6〜8人が練習できる。日本代表や大学の合宿などで年間の3分の1〜4分の1は使われているという。
 4日には、10〜12日の全日本ジュニア選手権を控えた福島・田村高ウエートリフティング部の女子部員が道場で汗を流した。鈴木宗徹監督(48)は「平均して月1回以上は来ている。全日本や大学の選手と練習することもあり、なかなか得られない経験もさせていただいている」と感謝する。
 63キロ級の遠藤朱李主将(2年)は「学校とは違い、大会のような緊張感の中で練習できる」、53キロ級の鈴木あみ選手(2年)は「空調機器が常備されていて冬でも暖かい」と言う。
 道場には五輪出場時の三宅さんの大きな写真や、日の丸が掲げられている。48キロ級で現在、全国高校ランキング1位の安藤千鈴選手(1年)は「世界を意識できる。在学中に高校新記録を出したい」と向上心を燃やす。鈴木監督は「道場を使った東北の選手から五輪選手を輩出し、被災地復興の手助けになればいい」と望む。
 「復興と地元の活性化に協力できた」と前山社長。三宅さんは「温泉もあるので選手が疲労回復しながら練習できる。多くの人に活用してほしい」と願う。(加藤伸一)


2017年03月12日日曜日


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